家づくりにおいて行う、最初の大きな決断は「土地購入」ですよね。
土地がなければ家を建てられませんので、多くの方はまず土地の検討をするかと思います。
「良い土地を見つけたけれど、不動産会社に連絡するのが怖い」「土地の買い方がわからなくて不安」と土地購入を諦めたり、先延ばしにしている方もいるでしょう。
条件の良い土地ほど早く売れてしまうもの。土地購入に不安を抱えたままでいるのはもったいないです!
この記事では、土地を購入する流れや知っておきたいポイント、さらには土地購入に関わる注意点をまとめて紹介。
本記事でいち早く土地購入の知識を身につけ、自信を持って土地購入への第一歩を踏み出しましょう。
また自分だけで土地購入をするのは不安・・・という方にはプロに相談するのがおすすめ。
土地購入だけでなく、家づくりのダンドリや工務店選びなど最後までサポートするので
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土地を探す前に必ず知っておくべきこと
土地に関する知識なしに土地を探すというのはもってのほか!
条件次第では、思い描く家づくりができない可能性もあります。
そこでまずは土地を探す前に知っておくべき4点を把握して、土地探しの下準備をしましょう。
敷地の「接道義務」を果たしているか?
建物が建設される敷地には「接道義務」が課されています。購入したい土地が接道義務を果たしているか確認しましょう。
接道義務とは、「道路に間口が2m以上接していない敷地には建物を建設できない」というものです。
ここで言う「道路」とは、建築基準法で定められた道路のことで、原則として幅員4m以上、指定がある場合には6m以上の幅員があるものを指します。
図のように、建物を建てる場合には、敷地がその形状に関わらず幅員4m以上の道路に2m以上接している必要があります。
接道義務は、日照や風通しを良好に保ったり、防災活動や避難活動で必要な通路を確保するためなど、生活する上で重要な役割を果たすとされ、建築基準法という法律によって定められています。
また接道義務は決められた地域にのみ定められています。以下の表にあるように、「都市計画区域」「準都市計画区域」である地域にのみ課された義務です。
都市計画区域と準都市計画区域以外の地域では接道義務がありません。
都市計画区域はさらに「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けられます。
家を建てられるのは「市街化区域」。「市街化調整区域」は原則として家を建てることができません。
ここで注意したいのは、すべての市街化区域で家を建てられる訳ではないということ。
また市街化区域の中には、建物の用途や規模を規制する「用途地域」というものがあり、この用途地域によっては家を建てられないこともあります。
次の項目で「用途地域」については詳しく説明します。
用途地域の中で住みやすいのは「第一種低層住宅専用地域」
土地を購入する際に忘れがちなのが、欲しい土地がどの用途地域であるかの確認。
確認を怠ると、希望するような家が建てられなかった、なんてことがあるかもしれません。
土地を購入する前に、自分の買おうとしている土地がどの用途地域に当てはまるかを確認しましょう。
そもそも「用途地域」とは「地域によって建てられる建物の種類や用途が決まっている」というもの。
様々な用途の建物が都市に混在することが無いようにと、都市計画法で定められています。
また、用途地域の中で住みやすい地域は「第一種低層住宅専用地域」です。
全ての用途地域の中で最も住環境に優れていると言え、家を建てるなら第一種低層住宅専用地域に建てることをおすすめします。
用途地域の種類と特徴まとめ
以下の表は、12種類の用途地域を全てまとめた表です。欲しい土地がどの用途地域か確認できたら、その特徴を下の表で押さえておきましょう。
「工業専用地域」以外は住宅を建てることができますが、家づくりをしたい方はまず<住宅系①>と<住宅系②>の2つの表さえ把握しておけば問題ありません。
ただし、用途地域によって建てられる建物の種類が異なることは覚えておいてください。
また、用途地域によってその敷地の「建ぺい率」や「容積率」が変わってきます。
建ぺい率と容積率の2つは、建物の大きさを決定づけるもの。敷地の建ぺい率と容積率を知るという観点からも、用途地域の確認は重要です。
次の項目では、まず「建ぺい率」について解説します。
建ぺい率は50%が程よい
建ぺい率とは、「敷地面積に対する建築面積の割合」のこと。
一般的な注文住宅を建てたいと考えている方には、建ぺい率が50%ほどの土地がおすすめです。
建ぺい率は高ければ高いほど良いという訳ではありません。建ぺい率が高すぎると、敷地いっぱいに家を建てなければならないため、建物間の空間的余裕がなくなり、外観としては窮屈な印象を受けます。
逆に建ぺい率が低すぎると、大きな家を建てるのに広い敷地が必要になるため、土地に多大な費用を割かなければなりません。
たとえば高級住宅地や歴史あるエリアでは、住環境に重きをおいているため、建ぺい率を低く抑えていることが多いです。
つまり、お金に余裕のある方であれば30%、40%の建ぺい率もおすすめできます。
建ぺい率について詳しくは以下の記事にあります。ぜひ参考にしてみてください。
容積率は建ぺい率の2倍がベスト
容積率とは、「敷地面積に対する延べ床面積の割合」のこと。
容積率によって必然的に建物の高さが決まり、容積率が高いほど建物の高さは高くなります。
ここで押さえておきたいのは、容積率と建ぺい率のバランスも建物の規模を決定する上で重要になるということ。
2階建て住宅を建築したいと考えている方は、容積率を建ぺい率の2倍で設定している土地を購入するのが良いでしょう。
たとえば、建ぺい率が50%で容積率が70%の土地で2階建て住宅を建てようと思ったら、2階部分を1階部分よりかなり小さくしなければならなくなります。
容積率と建ぺい率に関しては、それぞれの数値だけでなく2つの数値のバランスにも注意しましょう。
また、「容積率」については以下の記事で詳しく説明しています。目を通しておきましょう。
ここまで紹介しました、
・敷地の接道義務
・用途地域
・建ぺい率
・容積率
の4点についておわかりいただけましたでしょうか?
少し難しいお話ではありますが、土地の購入を考えている方にはぜひ知っておいていただきたいことですので、ぜひ頭に入れておいてください。
続いて、実際にどういう流れで土地を購入するのかを一緒に見ていきましょう。
土地購入の流れ
土地購入の予備知識が頭に入ったところで、土地を買う際の流れを説明していきます。
大まかな流れは以下の通りです。
1、住みたい土地のエリアを決める
2、建てたい家をイメージする
3、土地を探しを業者に依頼する
4、要望に合う土地が見つかったら、業者に事前確認をお願いする
5、実際に土地を確認
6、業者が土地について調査
7、買付証明書の提出
8、住宅ローン事前審査※重要!
9、土地売買契約※非常に重要!
10、住宅ローンの本審査申し込み
11、金銭消費賃貸契約(金消契約)
12、土地購入
これら土地購入の流れを1つずつ掘り下げていきましょう。
1、住みたい土地のエリアを決める
住みたい土地のエリアをまずは決めましょう。エリアの決定には自分が住む場所に何を求めるかがカギとなってきます。
生活の利便性を求めて都市の中心地に住みたいのか、はたまた良質な住環境を求めるのか、など人によって考え方はさまざま。具体的な土地探しはエリア決定後に行うのが吉です。
2、建てたい家をイメージする
家の写真が多く載った雑誌やムック本を参考に、自分の建てたい家・理想の家のイメージを固めます。
土地を探す前に建てたい家のイメージを固めておくと、建てたい家に必要な土地の条件がわかるのでおすすめです。
他にも住宅展示場などで、最新の住宅設備を確認したり、構造の違いなどを見てどんな設備で家を建てるかを考えてみることも大事。建築業者を選ぶ決め手になります。
3、土地を探しを業者に依頼する
土地購入から家づくりをする場合には、不動産業者や建築業者を決めてから土地を探す方が多いです。
土地を探す際には、まず家づくりを依頼する業者に土地の要望を提出しておいてください。業者が土地の情報収集をしたのち、要望に合う土地を絞り出して提案してくれます。
土地探しについての詳しい内容は以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
4、要望に合う土地が見つかったら、業者に事前確認をお願いする
建主の要望に合う土地を見つけたら、業者が土地の事前確認を行います。
事前確認とは、土地に関する状況を確認すること。前面道路の幅員や敷地の寸法、敷地の高低差、地盤調査などを行います。
事前確認をしないと、その後土地の整備などで思わぬ費用がかかる場合があります。依頼する建築業者には必ず事前確認を行ってもらいましょう。
5、実際に土地を確認
事前調査をした上で、業者が土地の資料を紹介。その中で気に入った土地については、建主が実際に確認します。建てたい家のイメージに合った土地の状況であるかを主に見ておくと良いでしょう。
6、業者が土地について調査
欲しい土地が決まったら、業者がその土地周辺の状況を調査します。
1つは近隣調査。学区、ゴミ置場、自治会、組合などを調べます。
2つは役所・法律関係調査。都市計画、道路、上下水道、遺跡など、家を建てるにあたり、建築法規全般に関する調査を行います。
建築プランが定まってから法的制約によってプランが変更になることがないように、土地を買う前に調べておきます。
3つは費用の見積もり。上下水道工事、造成工事などの要否を調べたり、測量などをします。
土地を測量して土地の価格を見積もることも重要ですが、意外と大事なのは工事の要否を調べること。
土地の状況によって、工事が必要ならば工事費用の見積もりをしなければなりません。
7、買付証明書の提出
土地購入の予約・意思表示に当たる行為として、業者に対して買付証明書を提出します。ただし買付証明書を提出すること=売買契約でないので、提出後にキャンセルすることが可能です。
8、住宅ローン事前審査※重要!
住宅ローンの正式な審査は土地購入成立後に行います。借り入れできる額がわからないと土地を購入できるかわからないため、住宅ローンの事前審査というのは非常に大事なことです。
土地をローンで購入しようと考えている場合は、事前審査をして購入費用を借りられるかの確認をしておきましょう。
また住宅ローンの事前審査について、詳しくは以下の記事でご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
9、土地売買契約※非常に重要!
以上のことが済んだら、実際に土地の取り扱い業者と土地の売買契約を行います。
しかし売買契約を結ぶ前に、宅地建物取引士によって重要事項説明が行われます。
これは非常に大事なステップですので、慎重に取り組みましょう。
重要事項説明では、重要事項説明書に記載された「対象物件に関する事項」と「取引条件に関する事項」について詳しい説明を受けます。
ここで、土地を買うか買わないかの最終意思決定をすることになりますので、検討の時間を十分にとり、疑問点があれば解消しましょう。
中には重要事項説明を受けた結果、購入を見送る場合もあります。十分に納得することができた場合にのみ、土地売買契約を結びましょう。
10、住宅ローンの本審査申し込み
住宅ローン事前審査に通っていれば、土地購入の条件が変わっていない限り本審査にも通りますのでご安心を。
住宅ローン本審査申し込みの際には建築業者の担当者が同席し、契約書の記入も担当者と行うことになります。
11、金銭消費賃貸契約(金消契約)
住宅ローンの申し込み後、金銭消費賃貸契約(以下、金消契約)を結びます。住宅ローンの申し込みは本審査の申し込みに過ぎませんので、正式にお金を借りるにはこの金消契約が必須です。
12、土地購入
金消契約が済んだら、次は土地代金の残金を支払います。土地の売主が買主へ土地を引き渡す際に所有権を移転し、名義を買主に変更します。
その際には、土地を購入する流れの中で大事な行程である
・住宅ローン事前審査
・土地売買契約での重要事項説明
の2つは丁寧に行うようにしましょう。これらを経て土地の購入は完了です。
ここまでで土地を購入する流れがざっくりとわかったら、土地を購入する際の注意点を確認しましょう。
土地を購入する際の注意点
決して安い買い物ではない土地の購入で、注意して欲しい点が4つあります。1つ1つを必ず頭に入れておいてください。
敷地の後退部分=セットバック部分は敷地面積に入らない
先ほども述べたとおり、建築基準法における「道路」とは、原則として幅員4m以上、指定がある場合には6m以上の道路のこと。
この幅員に満たない場合には道路の両側で均等に敷地位置を下げなくてはなりません。
セットバックとは、このように道路を定められた幅員にするため敷地を後退させることです。
セットバック部分の面積は、建ぺい率や容積率を計算する際の敷地面積から除かれます。
もともとの敷地面積が小さいのに、セットバック面積が大きい場合には建築計画に大きく影響を及ぼすことも。
なので、土地を購入する際にはまず
「買いたい土地にセットバック部分があるかどうか」を必ず確認してください。
不動産広告ではセットバックがSBと表記されることもあります。
もしセットバック部分があったとしたら
「建築計画を実現できる敷地面積が確保できるか」も合わせて確認し、建築計画が遂行できるようであれば購入を検討してみると良いでしょう。
また、セットバックについては以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
家を建てられる土地かどうかを確認する
市街化区域であっても用途地域によっては、家を建てられない土地もあることは先に述べたとおり。「工業専用地域」には家を建てられません。購入したい土地が家を建てられる用途地域に該当するかどうかの確認は必ず行いましょう。
土地費用の他にお金がかかる場合も
土地自体の費用の他に隠れてしまいがちな費用がかかる場合があります。隠れた費用の主な内容な次の3つです。
・土地の造成・インフラ工事が必要な場合
・購入したい土地が農地の場合
・購入したい土地に境界標がない場合
この3つをそれぞれ説明していきます。
土地の造成・インフラ工事が必要な場合
土地購入の流れの中でも説明しましたが、土地によっては家を建てるために整備が必要になります。
地盤が悪かったり、隣地や道路との高低差があったりすると造成工事が必要ですし、上下水道や電気などに問題があると、各種インフラ工事が必要です。
この際にはもちろん工事費用がかかりますので、購入の前に土地の整備にいくらかかるかをきっちり把握しておきましょう。
購入する土地が農地の場合
購入したい土地の地目が農地である場合、農地転用申請をしなければなりません。このとき、農作物の撤去費用、畑土などの処分費、埋め立て費用などが必要になる場合もあります。
購入する土地に境界標がない場合
隣地との間には境界がありますが、地面に境界線が引かれている訳ではありません。境界標とはその境界の目印として設置された杭などのことです。
もし購入しようとしている土地に境界標が設置されていない場合は、境界確定測量をしなければならず、測量費用が発生します。
そのため、境界標がない場合は、購入する前に必ず土地の売主、隣地所有者立ち会いのもと、境界標を設定することが重要です。
境界標を設定しなければ、土地の譲渡や売却の際に境界がわからず手間がかかったり、境界を巡って隣地所有者とのトラブルが発生することも考えられます。
このような手間やトラブル回避のためにも、境界標の設置は必要なことなのです。
土地購入に関する費用は、これだけではありません。土地を購入するともれなく税金の支払いが発生します。次の項目で、土地購入にかかる税金について詳しく知っていきましょう。
土地購入にかかる3つの税金
土地を購入すると
・印紙税
・登録免許税
・不動産所得税
の3つの税金がかかります。それぞれの内容を見ていきましょう。
印紙税
土地の売買契約や、金消契約を結ぶ際に印紙税というものがかかります。
具体的な金額は以下の通りです。ただし、平成30年3月31日までの契約では印紙税の軽減が受けられます。
記載された契約金額が
1万円未満:非課税
1万円以上10万円以下:200円
10万円を超え50万円以下:400円
50万円を超え100万円以下:1千円
100万円を超え500万円以下:2千円
500万円を超え1千万円以下:1万円
1千万円を超え5千万円以下:2万円
5千万円を超え1億円以下:6万円
1億円を超え5億円以下:10万円
5億円を超え10億円以下:20万円
10億円を超え50億円以下:40万円
50億円を超えるもの:60万円
契約金額の記載のないもの:200円
記載された契約金額が
1万円以上50万円以下:200円
50万円を超え100万円以下:500円
100万円を超え500万円以下:1千円
500万円を超え1,000万円以下:5千円
1,000万円を超え5,000万円以下:1万円
5,000万円を超え1億円以下:3万円
1億円を超え5億円以下:6万円
5億円を超え10億円以下:16万円
10億円を超え50億円以下:32万円
50億円を超えるもの:48万円
登録免許税
登録免許税は、取得した土地の登記をする際にかかる税金です。
登録免許税の税額は以下のように計算できます。
この計算で出される登録免許税は、平成31年3月31日までの土地所有権移転の登記にかかるもので、平成31年3月31日までの土地所有権移転の登記であれば、軽減税率1.5%が適用されます。
登録免許税についての詳しい内容は以下の記事にあります。ややこしい部分ですので一度目を通しておくことをおすすめします。
不動産所得税
不動産取得税は、土地の取得に対してかかる税金です。
不動産所得税額は、以下のように計算できます。
この不動産所得税の計算方法や、控除額、軽減措置など関しては以下の記事で詳しく説明されていますので、参考にしてみてください。
また以下の記事で、土地購入にかかる費用や税金に関してはまとめて紹介されています。詳しく知りたいという方は、この記事もぜひご確認ください。
まとめ
以上、土地購入についてでしたが、いかがだったでしょうか?
土地を探す前に押さえておきたいポイント、
・敷地の「接道義務」を果たしているか
・欲しい土地はどの「用途地域」に当てはまるか
・建ぺい率は50%が程よい
・容積率は建ぺい率の2倍がベスト
これら4つだけでも留意していただければと思います。
土地購入を検討している方は、流れ・注意点・ポイントを踏まえつつ、
まずは住みたいエリアや建てたい家のイメージを考えてみましょう。
この記事が、土地購入への第一歩を踏み出す後押しとなれば幸いです。
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経営コンサルティング会社にて、住宅業界のコンサルティングに8年従事。「世界で最も納得感のある購買体験を創る」をコンセプトに⋯ >>アウカについて詳しく