セットバック有りの土地とは?購入する際の注意点からお金の問題まで

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不動産広告などで、セットバックあるいはSBという表記をみたことがありますか?
セットバックとは、安全上の問題から敷地の一部を後退させて道路にすることです。

セットバックによって敷地面積は小さくなってしまうため、土地購入をする上でセットバックのことを知らないのは言語道断。知らず知らずのうちに損をしてしまうかもしれません。

この記事では、セットバックの基本的な知識から、セットバック有りの土地を買う際の注意点について、お金の話も紹介しています。

セットバックの知識を身につけて正確な敷地面積をきちんと把握することで、理想の建築計画を実現させましょう。

◆この記事を監修する専門家

セットバックとは

セットバックとは、敷地の前面道路の幅員が建築基準法における「道路」を満たすように敷地を後退させることです。

建築基準法における「道路」とは原則として幅員4m以上、指定がある場合には6m以上の道路のこと。

セットバック後の道路幅員
ただしセットバックする際は、道路の中心線から2mの幅員を確保しなければなりません。基本的に道路の両側に敷地がある場合は、足りない道路幅員分をそれぞれの敷地で分割してセットバックします。これについては例をあげて説明しましょう。

どれくらいセットバックが必要なの?

セットバックする際は、前面道路の対岸に敷地があるかないかで後退させる道路幅員が変わります。
仮に、敷地の前面道路幅員が3mであるとしましょう。
この時、道路幅員を4m以上にするため、計1mのセットバックが必要になりますね。では敷地の対岸に別の敷地がある場合とない場合で、セットバックすべき幅員はどれほどになるでしょうか。

対岸に敷地がある場合
対岸に敷地があれば、セットバックは両岸の敷地で行うことができ、1mの半分の50cmをセットバックすれば良いです。

対岸に敷地がない場合
一方対岸が河川、崖地、線路などの場合、セットバックは一方の敷地で行わなければなりません。したがって、1mのセットバックが必要になります。東京都などの狭小地で1mのセットバックをすれば、敷地面積がかなり狭くなってしまうことがわかりますね。

ではなぜ建築基準法で「道路」の幅員が決められているのでしょうか。理由としては以下の2つがあります。

建築基準法で「道路」の幅員が決められる理由・火災などの緊急時に、救急車両などを通りやすくする安全確保のため
・日照・通風を良好に保ち、住環境を整えるため

セットバックは、安全と快適な暮らしを守るために必要なことなのですね。

ここまででセットバックについてわかっていただけたかと思います。ところがセットバック関連の記事にはセットバックを「私道負担」と表記している場合があります。実はこれは間違いなのです。次はこの私道負担とセットバックの違いについて説明します。

私道負担とセットバックの違い

私道負担とセットバックは異なる意味の言葉です。

まずは私道負担について説明しましょう。私道負担は、「敷地の一部を私道として提供すること」。これには敷地の「接道義務」が大きく絡んでいます。

接道義務とは、「道路に間口が2m以上接していない敷地には建物を建設できない」というものです。詳しくは「土地購入」についての以下の記事にありますので、参照してください。

誰でもわかる!土地購入の流れ・注意点と掛かる3つの税金も徹底解説

2018.04.12

この接道義務を果たすために、道路の間口となる私道を敷地のなかにつくることになります。これを私道負担というのです。

分割前の敷地
上の図のように、1つの敷地を分割する際に私道を設けることで、道路に接していない敷地も接道義務を果たすことになります。もちろんこの私道の幅員は2m以上でなければなりません。

つまり、私道負担とセットバックとはこのような意味があります。
私道負担・・・接道義務を満たすために敷地を一部私道にすること
セットバック・・・一定の道路幅員を確保するため敷地を後退させること

全く違うものですよね。土地情報を見る際は、私道負担とセットバックは混同させないようにしましょう。
セットバックについてしっかり理解したところで、実際にセットバック有りの土地を購入する場合にはどんな注意点があるか見ていきましょう。

セットバック有りの土地を購入する際の注意点

セットバック有りの土地では注意すべきポイントが4つあります。この注意点を見逃してしまうと、のちのち無駄な出費を負担することになったり、資金計画が崩れてしまったりとつまづいてしまうかもしれません。ここから説明する内容はしっかり頭に入れておいてください。

・セットバックするための工事費用がかかる
・セットバック部分には利用制限がある
・固定資産税の非課税申請が必要である
・道路の中心点と後退距離は道路によって異なる

以上4つのセットバック有りの土地を購入する際の注意点について詳しく見ていきます。

セットバックするための工事費用がかかる場合も

セットバック有り土地を購入する場合、セットバックするための費用がかかります。セットバック距離の測量や、側溝を作ったり道路の舗装などをするための工事などが必要だからです。

セットバックの工事費用は、25〜60万円程度と言われています。土地の高低差があるなどするとさらに費用がかさみますので、土地によってかかる費用が異なります。

これらセットバックにかかる費用を自治体によっては賄ってくれる場合もあるようですが、一般的には土地の買い主が自己負担する場合が多いです。

セットバック部分には利用制限がある

分筆登記していない限り、セットバック部分の所有権はセットバックした敷地の所有者にあります。しかしその利用には制限があり、セットバック部分には建築物を建設することができません。

門を設置したり、擁壁を設置することができないということです。
つまりセットバック部分は、完全に道路として提供しなければなりません。門や擁壁を設置したい人にはあまり向いていないと言えるでしょう。

固定資産税の非課税申請は必ずしよう

先ほども述べましたが、分筆登記をしていなければセットバック部分の所有権はセットバックした敷地の所有者にあります。

そのためセットバック部分も敷地と同様に固定資産税がかかってしまいます。勝手に減免されるということはありませんので、必ず非課税申請をしましょう。

道路の中心点と後退距離は道路によって異なる</h3.
セットバックは道路の中心点から2m以上離れるように道路後退することでしたね。どれだけ後退すれば良いか、セットバック面積を算定する際には道路の中心点と後退距離が必要になります。

しかし道路の中心線は必ずしも道路の真ん中にあるわけではありません。隣地や対面の敷地所有者、役所の担当者を交えて道路の中心線を確認する必要があります。

セットバックで建てられる家のサイズが変わってしまう

セットバックによって敷地に建てられる家のサイズが小さくなってしまいます。建ぺい率や容積率は家の規模を決定する要素で、同じ建ぺい率、容積率なら敷地面積が広いほど建てられる家のサイズも大きくなります。

しかしセットバック部分の面積は建ぺい率や容積率を算出する際の敷地面積に含まれません。つまりセットバックをすると、しなかった場合に比べて建てられる家の規模が小さくなってしまうということです。

建ぺい率および容積率についてはそれぞれ以下の記事で詳しく説明されています。ぜひ参照してみてください。

容積率とは?5分で納得の計算方法から緩和されるケースまで完全解説

2018.04.27

建ぺい率ってなに?知らなきゃ損の緩和措置、容積率との黄金比率とは

2018.04.26

ここまで、セットバック有りの土地を購入する場合の注意点を紹介しました。デメリットが目立ち、メリットがほとんどないのが実情です。

わずかなメリットとして挙げられることは、セットバック有りの土地は安価で売られている場合が多いということがあります。次はセットバック有りの土地が安く売られやすい理由を紹介します。

セットバック要の土地は安く買えるかも

セットバック部分はその土地の相場の3割ほどの価格で取引されるため、セットバック有りの土地は比較的安い価格で販売されている場合が多いです。セットバック有りの土地が、セットバックを考慮しても安く売られる理由には次の2つがあります。

1つは、道幅が狭いために不人気だから
そもそもセットバックが必要ということは、道幅が4m未満ということ。道が狭く、使い勝手が悪いために人気が低く、価格も低いということなんですね。

2つは、制約が多すぎるから
注意点であげたように、セットバック有りの土地はデメリットが多いです。
セットバック部分を自由に使えなかったり、セットバック部分が敷地面積にカウントされないために建築できる家の規模が小さくなってしまうなど自由な家づくりを妨げる厳しい条件が揃っています。

しかし反対に、とても欲しい土地がセットバック有りだったとしてもセットバックに理解があり、セットバックをしても建てたい家が建てられるという方ならセットバック有りの土地を検討するのも良いでしょう。

まとめ

以上、セットバックについての説明でしたがいかがだったでしょうか?デメリットがたくさんあり、良い印象を持てない方が多いかもしれません。

しかし最後に述べたように、とても欲しい土地がセットバック有りであったとしても、セットバックに理解があるなら購入候補に入れても良いと言えます。

住みたい家を住みたい場所に建てられるというのはかなり理想的ですよね。セットバックを忌避せず、広い視野で土地探しをすることをおすすめします。

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