親から住宅購入の資金援助を受ける場合、金額だけでなく「誰が受け取り、何に使い、誰の名義にするか」を決めておく必要があります。親子だから税金や申告が関係ない、とは限りません。
資金を受け取る前に、贈与・借入・共有のどの形なのかを整理し、住宅の持分と使う時期を確認しましょう。ここでは、2026年の住宅取得等資金の非課税措置を中心に、家族で確認したいポイントを説明します。
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援助の形を最初に明確にする
| 形 | 基本の考え方 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 贈与を受ける | 返済を予定せず資金をもらう | 贈与税、特例の条件、受贈者、申告 |
| 親から借りる | 返済義務のある借入として受け取る | 返済能力、契約、利息、実際の返済記録 |
| 親も持分を取得する | 親が負担に応じた権利を持つ | 登記、金融機関の担保条件、将来の処分等 |
「援助」という言葉だけで進めると、親は貸したつもり、子はもらったつもり、という食い違いが起こります。金額、支払日、返済の有無、名義について話し合い、内容を記録してください。
親から借りる場合は、契約書があるだけで十分とは限りません。国税庁は、返済能力や実際の返済状況から、本当の貸借と認められるかを判断すると案内しています。無利子の場合は利益相当額が贈与と扱われる場合があり、返済を実質的に予定しない形にも注意が必要です。
2026年の住宅取得等資金の非課税措置
一定の要件を満たす場合、父母・祖父母などの直系尊属から受けた住宅取得等資金の贈与について、非課税の特例を利用できます。現在の制度の対象となる贈与期間は、2024年1月1日から2026年12月31日までです。
限度額は受贈者ごとに、省エネ等住宅なら1,000万円、それ以外の住宅なら500万円です。過去の適用状況等で使える額が変わるため、「今年も同額を使える」と決めつけず確認してください。
父と祖父など複数人から受け取っても、贈与者ごとに限度額が増えるわけではありません。また、配偶者の親は原則として本人の直系尊属には含まれません。養子縁組等の事情がある場合は個別に確認します。
出典:国税庁「住宅取得等資金の贈与の非課税」、同「非課税措置のQ&A」
「省エネ等住宅」の証明を住宅会社へ確認
新築住宅の省エネ性能で上乗せ対象を確認する場合、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上など、制度で定められた基準があります。一定の耐震性能やバリアフリー性能により対象となる場合もあります。
単に「省エネ住宅」と広告されているだけではなく、どの基準に該当し、申告用の証明書をいつ用意できるかを住宅会社へ確認してください。住宅ローン控除や補助金の基準と、すべて同じではありません。
受け取る人・住宅・時期の要件を確認する
主な確認項目には、受贈年の1月1日時点の年齢が18歳以上であること、所得の条件、本人が住宅を所有して居住することなどがあります。床面積は登記簿上の面積で確認します。
新築・取得の場合、床面積は40㎡以上240㎡以下で、その半分以上が本人の居住用であることなどが必要です。合計所得金額は原則2,000万円以下、40㎡以上50㎡未満では1,000万円以下という条件があります。給与の額面年収と合計所得金額は同じではありません。
贈与を受けた翌年3月15日までに、対象資金を住宅の新築等に充てることが必要です。居住時期にも要件があるため、工事が翌年へまたがるときは、建築の進み具合と入居予定を示して税務署等へ相談してください。
単に年内にお金だけ受け取ればよいわけではありません。ここで挙げた要件のほか、過去の特例利用、取得先との関係、国内住所等の条件もあるため、国税庁の確認項目を一つずつ照合します。
住宅ローン返済のための援助とは区別する
この特例は、住宅の新築・取得等の対価へ充てるための金銭の贈与を対象としています。すでに借りている住宅ローンを返済するための贈与や、不動産そのものの贈与は、同じ特例の対象ではありません。
また、住宅購入に関連する支出でも、すべてを同じ扱いにできるとは限りません。対象となる住宅代金と、家具・家電・諸費用などを分け、資金を何へ充てるかを確認してください。
土地を先に購入する注文住宅では、住宅の新築との関係や期限も重要になります。贈与日、土地代金の支払日、建築工程、入居日を一つの予定表にまとめると、窓口で説明しやすくなります。
贈与を受けた人の資金負担と持分を合わせる
親から受け取った資金を、夫婦のどちらの取得資金として使うのかを明確にします。実際の購入資金の負担と登記持分が異なると、夫婦間でも贈与税の問題が生じる場合があります。
例えば、購入代金4,000万円を、Aさんのローン2,000万円とBさんのローン1,000万円、Bさんが親から受けた贈与1,000万円で負担する単純な例では、購入代金への負担はAさん2,000万円、Bさん2,000万円です。借入額だけの2対1で持分を考えると、贈与で用意した資金が抜けてしまいます。
これは持分を考えるための仮例で、非課税措置の適用を保証するものではありません。土地・建物の別、資金の受取人、支払記録、他の自己資金も含めて専門家へ確認してください。親が持分を取得する案では、ローンの担保・契約条件も金融機関と調整します。
非課税でも、特例を使うための申告が必要
特例の限度額以内でも、特例を利用するためには贈与税の申告が必要です。原則として贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までに、必要な書類を添えて申告します。
契約書の写し、親子関係等を確認する資料、住宅性能の証明など、該当する書類を早めに確認してください。2026年分の申告では、その年分の手引き・様式が公表された段階で再確認します。
贈与契約の内容や振込・支払の記録も整理して保管します。住宅会社が証明書を用意してくれる場合でも、贈与税の申告まで自動的に完了するわけではありません。担当範囲と提出期限を確認しましょう。
住宅ローン控除も使う場合は対象額を別に確認
住宅ローン控除と贈与の非課税は、要件や手続きが異なる制度です。非課税の住宅取得等資金を使う場合、住宅ローン控除の計算に使う取得対価から差し引く扱いなどが関係します。
借入額が大きければその全額が控除対象になるとは考えず、贈与・補助金・自己資金を分けて確認しましょう。制度全体は住宅ローン控除の条件と確認方法でも整理しています。
家族と相談窓口へ持参する確認表
| 確認事項 | 主な確認先 |
|---|---|
| 贈与・借入・共有のどの形か | 親と本人、必要に応じ税理士等 |
| 誰がいくら受け取り、いつ何に使うか | 家族、住宅会社、金融機関 |
| 非課税の要件と過去の利用状況 | 税務署・税理士 |
| 住宅性能の証明と建築工程 | 住宅会社・証明書発行機関 |
| 資金負担と土地・建物の持分 | 税理士・司法書士・金融機関 |
| 贈与税申告と住宅ローン控除の準備 | 税務署・税理士 |
親自身の老後資金や今後の支出も考慮し、援助額だけを住宅予算の上限としないことが大切です。受け取る予定の金額や日付が確定していない段階では、確実な自己資金として契約を進めないようにしましょう。
親からの住宅資金援助についてよくある質問
2027年にも同じ制度を使えますか?
情報確認時点の対象は2026年12月31日までの贈与です。延長を前提にせず、贈与する年の制度を確認してください。
親と祖父母から受け取れば限度額は倍になりますか?
贈与者ごとではなく受贈者ごとの限度額です。複数人から受け取る場合は合計額と過去の適用状況を確認します。
返すつもりなら贈与税は関係ありませんか?
返済能力や返済の実態も確認されます。借入条件と記録を整え、税務上の扱いを事前に相談してください。
資金の受取り前に、工程と名義を整理しよう
親からの援助を活かすには、家族の合意と、住宅取得・税務の手続きを同じ計画にまとめることが大切です。制度の条件を確認したうえで、土地・建物・諸費用を含む予算を住宅会社とすり合わせましょう。
あわせて確認したい住宅とお金のテーマ
情報確認日:2026年9月8日。具体的な非課税適用・持分・申告は、贈与と支払の内容を示して税務署や専門家へ確認してください。






