住宅ローン控除を調べると、「年末残高の1%」「控除期間は10年」など、以前の制度の説明が見つかることがあります。しかし、住宅ローン控除は入居年や住宅性能によって条件が異なります。
これから家を取得する方は、まず入居年・住宅区分・床面積・所得・借入条件の順に確認しましょう。この記事は2026年9月8日時点の情報に基づき、主に2026年・2027年に入居する新築住宅を中心に、制度の見方を整理します。過去に入居した方は、その入居年の制度を確認してください。
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住宅ローン控除は、所得税などから差し引く税額控除
住宅ローン控除は、一定の条件を満たす住宅の取得等について、対象となる借入残高などから計算した額を所得税から差し引く制度です。所得から差し引く「所得控除」とは異なります。所得税から控除しきれない場合は、限度額の範囲で翌年度の住民税から控除されます。
一般の制度の控除率は0.7%です。ただし、年末残高の0.7%が必ず現金で戻るわけではありません。制度上の借入限度額、取得対価、本人の税額などが関わります。
2026年度の税制改正で、入居に関する適用期限は2030年12月31日まで延長されました。これは、すべての住宅に同じ条件が2030年まで続くという意味ではありません。住宅区分や入居年ごとの差を確認してください。
2026年・2027年入居の新築住宅は、性能区分で上限が変わる
| 新築住宅の区分 | 一般の借入限度額 | 子育て世帯等の上乗せ適用時 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円 | 3,000万円 | 13年 |
この表の借入限度額は、減税計算の対象となる残高の上限です。金融機関が貸してくれる額の上限でも、受け取れる税額そのものでもありません。また、認定や性能を証する所定の資料が必要です。
子育て世帯等の上乗せは、19歳未満の扶養親族がいる方、配偶者がいて本人が40歳未満の方、または本人が40歳以上で配偶者が40歳未満の方など、所定の要件で判定します。入居した年の12月31日時点の状況と、床面積の条件も確認してください。
省エネ基準を満たさない新築住宅は原則として対象外です。古い建築確認等に関する経過措置がありますが、これから計画する新築住宅にそのまま当てはめないようにしましょう。
出典:国土交通省「住宅を新築したとき・未使用住宅を取得したとき」、国土交通省「認定低炭素住宅の減税制度」
条件確認は、入居年・面積・所得・借入れを一つずつ
| 確認項目 | 主な確認内容 | 確認する資料・相手 |
|---|---|---|
| 入居年と時期 | 取得・工事完了から6か月以内の入居等 | 引渡書類、入居日、税務署 |
| 利用目的 | 主として本人が居住する住宅か | 実際の使用状況 |
| 床面積 | 登記簿上の面積で条件を満たすか | 登記事項証明書 |
| 所得 | 合計所得金額2,000万円以下等 | 申告資料、源泉徴収票等 |
| 借入れ | 償還期間10年以上など、対象となる借入れか | ローン契約・返済予定表 |
| 住宅性能 | 認定・省エネ性能の区分と証明の有無 | 住宅会社、認定通知書、性能証明書等 |
| 他制度 | 売却時の特例、補助金、贈与特例との関係 | 税務署、税理士、各制度の案内 |
2026年以降の床面積要件は、新築・既存住宅とも40㎡以上へ緩和されています。ただし、合計所得金額が1,000万円を超える方や、子育て世帯等の借入限度額の上乗せを使う方は50㎡以上が必要です。店舗等との併用住宅では、床面積の2分の1以上が居住用であることなども確認します。
「年収」と「合計所得金額」は異なります。給与の額面年収をそのまま所得の条件に当てはめず、給与所得以外の所得がある場合も含めて確認してください。面積も広告の表示だけで判断せず、登記簿上の数字を見ます。
実際の控除額は、年収だけでは決まらない
計算の入口は、対象となる年末残高、取得対価を基にした額、住宅区分ごとの借入限度額を確認することです。補助金や住宅取得資金の贈与特例を使う場合には、取得対価等の計算上の調整もあります。そこに控除率を掛け、本人の税額などを踏まえて適用額を確認します。
たとえば、計算対象となる残高が3,000万円で、区分の借入限度額も満たす場合、0.7%を掛けた額は21万円です。これは計算段階の額であり、実際に21万円の還付を受けると決まったわけではありません。所得税額や住民税の控除限度額によって、使える額は変わります。
また、返済で残高が減るため、初年度の計算額を単純に13倍して総額を決めることもできません。育休や時短勤務などで所得が変わる年は、税額も変わる可能性があります。
取得費等の計算方法は、対象年分の国税庁「土地・建物(住宅ローン控除等)」と申告案内で確認しましょう。過去年分の説明を2026年入居へそのまま流用しないことが大切です。
中古住宅・買取再販・リフォームは別の区分で確認する
既存住宅は、新築住宅の表をそのまま使いません。2026年の改正では、省エネ性能の高い既存住宅の借入限度額や控除期間が拡充されました。たとえば、認定長期優良・認定低炭素・ZEH水準の既存住宅は、一般の借入限度額3,500万円、子育て世帯等の上乗せ適用時4,500万円、控除期間13年です。
既存の省エネ基準適合住宅は2,000万円(上乗せ適用時3,000万円)・13年、その他住宅は2,000万円・10年という区分があります。耐震要件なども確認が必要です。買取再販住宅やリフォームについては、それぞれの専用案内を確認してください。
2028年以降の入居予定は、今の条件で固定しない
住宅ローン減税は2030年まで延長されていますが、省エネ基準適合の新築住宅は2028年以降、建築確認や建築日の経過措置によって扱いが変わります。また、2028年以降の入居では、所定の災害レッドゾーンの新築住宅に適用除外が設けられています。
土地選びや工期が複数年にまたがる場合は、入居予定年の制度で確認しましょう。対象区域や建替え等の例外は、国土交通省の案内と住宅会社に確認し、工期が変わったときにも再確認することが大切です。
控除を増やすためだけに借入額を増やさない
借入れを増やせば、利息や手数料、金利変動による負担も増える可能性があります。控除には上限があり、税額によって使い切れない場合もあるため、「頭金を入れない方が必ず得」とはいえません。
夫婦で借りる場合も、各自の負担、持分、所得、適用条件を確認します。相手が使い切れなかった控除を、自由に自分へ移す仕組みではありません。国税庁は連帯債務について、負担割合や取得持分によって対象借入額が変わる例を示しています。
住宅ローン控除のよくある質問
会社員なら初年度から年末調整だけでよいですか?
初年度は原則として本人が確定申告を行います。給与所得者は、2年目以降に年末調整で控除を受けられます。対象年分の必要書類や手続き方法を確認してください。
省エネ住宅と書かれた広告があれば申告できますか?
広告の表現だけでは証明できません。認定通知書や所定の性能証明書など、対象区分の資料が必要です。取得前に調査・評価が必要な書類もあるため、住宅会社へ早めに確認しましょう。
入居済みの人にも2026年の上限が適用されますか?
以前の入居者が自動的に2026年の制度へ切り替わるわけではありません。自分が居住を開始した年と、当時の住宅・借入条件に応じて確認します。
住宅性能の証明と、家計の予算を先に整えよう
住宅ローン控除は、住宅購入の負担を軽くする制度ですが、家計の不足を必ず埋める給付金ではありません。住宅区分と本人の条件を確かめ、必要な証明を準備したうえで活用しましょう。
控除を見込む前の予算は、家づくりの資金計画で整理できます。住宅会社の比較や家づくりの進め方はアウカの無料相談へ、個別の税額・適用可否は税務署や税理士へご相談ください。
あわせて確認したい住宅とお金のテーマ
- 住宅ローン控除の申請|初年度と2年目以降の準備
- 親から住宅資金の援助を受けるとき|贈与・名義・申告の確認
- 2026年の住宅補助金|対象条件・申請時期・入金までの確認
- 不動産取得税の計算と軽減措置|新築・土地の確認ポイント
情報確認日:2026年9月8日。一般的な制度を解説しており、被災者向け等の特例は含みません。入居年・取得区分・個人の状況によって適用は異なります。





