住宅ローンが払えないとき|早めに確認する相談先と家計

住宅ローンの返済相談に向けて電話とノートを用意した手元

住宅ローンの返済が難しくなりそうなときは、支払日を過ぎるまで一人で抱え込まず、返済中の金融機関へ早めに連絡してください。すでに遅れている場合も、届いた通知と家計の状況を整理して相談しましょう。

最初に伝えるのは「いつの返済が、いくら不足し、今後どの程度の支払いができそうか」です。資料がすべて揃うまで相談を待つ必要はありません。この記事では、相談先と準備する情報を順番に整理します。

アイキャッチはAI生成による架空のイメージです。

最初の相談先は、返済中の金融機関

返済が難しくなった理由が、収入減少、失業、病気、教育費増加などのどれであっても、まず契約している金融機関へ相談します。住宅金融支援機構も、具体的な返済相談や手続きは返済中の金融機関へ連絡するよう案内しています。

返済予定表や金融機関の公式サイトから相談窓口を確認し、契約者本人であることを伝えます。連絡する時点で不足額が確定していなくても、見込みと分かっていないことを分けて説明してください。

例えば「次回の返済10万円に対して3万円ほど不足する見込みです。収入が減ったのは今月からで、回復時期はまだ決まっていません。返済条件を相談したいです」と伝えると、状況が整理しやすくなります。これは説明用の例です。

出典:住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」

相談前に整理するのは、収入・支出・借入・期限

金融機関へ伝えるための準備表
項目 整理する内容
次の支払い 返済日、返済額、不足見込み、すでに遅れている額
収入 直近の手取り、収入減少の理由、回復見込み
必要な支出 生活費、教育費、税・保険料、医療費等
預貯金 利用できる残高と、使途が決まっている資金
他の借入 借入先、残高、返済日、月額、遅れの有無
届いた書類 督促・催告等の通知、記載の期限、連絡先
希望 継続して払える見込み額、相談したい変更

直近の給与明細、返済予定表、預金の入出金、他のローンの明細などを用意すると、説明に役立ちます。失業や休業等の資料を求められた場合は、必要な種類を窓口に確認してください。

毎月の支出だけでなく、ボーナス返済、年払い保険料、固定資産税などの支払月も記入します。月平均では収支が合っていても、特定の月に現金が足りないことがあるためです。

返済条件の変更は、将来の支払いまで確認する

金融機関では、状況と契約に応じて返済条件の変更を相談できる場合があります。住宅金融支援機構にも、返済期間の延長や一定期間の返済額の軽減などのメニューがあります。

ただし、希望すれば必ず変更できるわけではありません。適用条件と審査があり、内容は金融機関や商品によって異なります。変更が認められるまでは、元の約束が自動的に変わるわけではないため、次の支払いをどう扱うかも直接確認してください。

期間延長や元金返済の猶予等では、目先の月額が下がっても、総利息や将来の負担が増える場合があります。「軽減中」「軽減終了後」「完済まで」の3段階の返済予定表を確認しましょう。

出典:住宅金融支援機構「返済方法の変更」

返済条件の変更案で確認すること
確認事項 質問の例
開始時期 いつから新しい返済条件が適用されますか
軽減期間 いくらに減り、その期間はいつまでですか
終了後 終了後の月額とボーナス返済はいくらですか
総額・費用 総返済額、手数料、追加の利息はどう変わりますか
完済時期 完済年齢と退職後の返済はどうなりますか
税・保障 控除や団信への影響をどこへ確認すればよいですか

家計の見直しは、生活を続けられる範囲で

定額サービス、通信費、保険の重複など、変更できる支出を確認します。一方で、食費や医療費など必要な支出を無理に削り、生活や仕事の継続が難しくなる計画は避けましょう。

住宅ローンだけを優先して、他の借入や税金、保険料等を見えなくしないことも大切です。支払いが難しいものは、それぞれの窓口へ相談し、家計全体を説明できる状態にします。

家計の整理を自分だけで進めにくい場合は、自治体の自立相談支援機関や家計改善支援の窓口へ相談できます。厚生労働省は、状況に応じた支援計画や関係機関へのつなぎ等を案内しています。住宅ローンを一律に肩代わりする制度という意味ではありません。

出典:厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」住まい・生活の困りごと相談「すまこま。」

他の借入や法律上の対応が必要なときの相談先

全国銀行協会のカウンセリングサービス

住宅ローンやカードローン等の返済に困っている個人向けに、全国銀行協会は無料のカウンセリングサービスを案内しています。何から相談すればよいか分からない場合の整理にも利用できます。

ただし、カウンセリングを受けることが、借入先での条件変更の承認になるわけではありません。具体的な契約変更は金融機関へ確認します。

出典:全国銀行協会相談室・カウンセリングサービス

法テラスや弁護士等への法律相談

複数の借入があり返済の継続が難しい場合や、期限付きの通知が届いている場合は、法律相談も検討します。法テラスでは法制度・相談窓口の情報提供を行っており、無料法律相談や費用立替には収入・資産等の要件があります。

個人再生の住宅ローン特則など、一定条件のもとで住まいを維持しながら債務を整理できる場合もあります。ただし、誰でも使えるものではなく、住宅ローンが一律に減額される制度と考えてはいけません。住宅、担保、他の債務、収入等を示して専門家に確認してください。

出典:法テラス「借金の返済・債務整理の相談」

借り換え・繰り上げ返済・売却を急いで決めない

借り換えにも審査と費用がある

借り換えは金利や条件を見直す方法ですが、新しい融資審査と諸費用があります。返済が難しくなってからでも必ず使える解決策ではありません。まず現在の金融機関へ状況を伝え、利用できる対応を確認しましょう。

仕組みを知るための関連記事:住宅ローン借り換えの比較方法

残りの現金を使い切って一部返済しない

一部繰り上げ返済で月額を下げられる場合があっても、生活費まで使ってしまうと、次の支払いが難しくなる可能性があります。現金を残す案と比較し、金融機関へ相談してから判断してください。

仕組みを知るための関連記事:手元資金を含めた繰り上げ返済の考え方

売却価格だけで住み替えを決めない

売却を検討する場合は、ローン残高、売却費用、担保の扱い、売却後に残る債務、次の住居費を確認します。金融機関や専門家の確認前に、売ればすべて解決すると決めつけないようにしましょう。

また、返済のために別の高金利の借入を重ねると、今月の支払いができても翌月以降の負担が増えるおそれがあります。新しい借入を増やす前に、家計全体を相談してください。

住宅ローンが払えないときのよくある質問

まだ延滞していなくても相談できますか?

返済が難しくなる見込みが分かった段階で相談してください。具体的な不足額や時期が未確定でも、分かる範囲を伝えましょう。

すでに支払日を過ぎてしまいました

返済中の金融機関へ速やかに連絡し、未払い額と次の支払いをどう扱うか確認します。届いた通知を放置せず、記載された期限も伝えてください。

相談すれば返済を止めてもよいですか?

相談しただけで契約が変更されたり、支払いが免除されたりするわけではありません。次の返済と変更の開始時期を金融機関へ確認してください。

病気が理由なら団信で払われますか?

契約の保障範囲と支払条件によります。病気で収入が減っただけで必ず保険金が出るわけではないため、加入中の団信や関連保険の窓口へ確認します。

今日できることは、期限を確認して一本連絡すること

返済に困ったときは、資料を完璧に揃えることより、早めに相談を始めることが大切です。返済日と不足見込みをメモし、借入先へ連絡してください。家計全体や法律上の対応が必要なら、公的な相談窓口や専門家にもつなげていきましょう。

相談先を探す:全国銀行協会相談室法テラスすまこま。

あわせて確認したい住宅とお金のテーマ

情報確認日:2026年9月8日。返済条件の変更や法的手続きの利用可否は個別の状況によります。具体的な契約と通知を示して、金融機関や専門家へ確認してください。

住宅ローンの返済相談に向けて電話とノートを用意した手元