ペアローンの割合はどう決める?収入・持分・将来支出の確認

それぞれのノートを開いて住宅ローンの負担を話し合う夫婦

ペアローンを検討するとき、「夫婦で半分ずつ」「年収の比率どおり」と借入額を決めたくなるかもしれません。しかし、借入割合と住宅の持分は同じ意味ではなく、頭金の出し方や将来の収入によって適切な組み方が変わります。

まず世帯全体で無理のない借入総額を決め、次にそれぞれの返済余力と自己資金を整理し、実際の資金負担に合う持分を確認しましょう。この記事では、ペアローンの割合を決める手順を具体例で解説します。

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「借入割合」「返済負担」「持分」を分けて考える

ペアローンは、二人がそれぞれ住宅ローンを契約する仕組みです。一つのローンを二人で負う連帯債務や、収入合算の連帯保証型とは、契約と責任の関係が異なります。

割合を決める前に区別したい3つの数字
項目 意味 確認のポイント
借入割合 二人の借入総額に対する、それぞれの借入額 各契約の金額、金利、期間
返済負担 実際に誰がいくら返済するか 本人の手取り、生活費分担、将来の収入
持分割合 土地・建物を所有する権利の割合 頭金等も含む実際の購入資金の負担

例えば借入割合が6対4でも、一方だけが頭金を多く出すなら、購入資金全体の負担割合は6対4とは限りません。ローンの数字だけを登記へ写さず、資金の出所を一枚の表にまとめることが出発点になります。

出典:三菱UFJ銀行「ペアローンと収入合算の違い」

最初に、世帯全体で返せる総額を決める

二人で借りると、単独では届かない借入額を検討できる場合があります。ただし、審査上の借入可能額が、その世帯にとって無理のない予算とは限りません。

月々の手取りから生活費、教育費、将来の貯蓄を引き、税金・保険・修繕など住宅ローン以外の住居費も差し引いて返済余力を求めます。そのうえで、金利が上がる場合や収入が減る場合も試算してください。

「二人ならいくらまで借りられるか」から始めるより、「生活を維持しながら合計いくら返せるか」を先に決める方が、持分や割合の調整で無理な借入を隠してしまうことを防げます。

予算の整理には、年収と手取りから考える住宅ローンの借入額も活用してください。

現在の年収比は、返済割合を考える材料の一つ

年収が600万円と400万円なら、6対4を最初の案として考えることはできます。ただし、額面年収だけでは税・社会保険料、働き方、他の借入、家計の分担までは分かりません。

それぞれの手取りから、自分が負担する生活費と貯蓄を差し引き、ローンへ回せる額を確認しましょう。教育費を一方が多く支払う家庭では、ローンだけを収入比で割ると負担の偏りが生じることもあります。

二つの契約で金利や返済期間が異なる場合は、借入額の比率と毎月の返済額の比率も一致しません。割合を決めるために、本人ごとの返済予定表を必ず作ってもらってください。

頭金を含めた持分の考え方を具体例で確認

説明用に、諸費用を除く住宅の購入代金が5,000万円の例を考えます。二人のローンは合計4,000万円、借入割合は6対4です。ここではAさんが頭金800万円、Bさんが頭金200万円を負担すると仮定します。

借入割合と購入資金全体の負担が異なる例
項目 Aさん Bさん
本人の自己資金 800万円 200万円
本人の借入額 2,400万円 1,600万円
購入代金への負担合計 3,200万円 1,800万円
借入額だけの割合 60% 40%
購入資金全体の負担割合 64% 36%

この単純化した例では、持分を考える基礎となる資金負担は64対36です。借入割合だけを使って60対40としたり、理由なく50対50としたりすると、負担と取得する権利に差が生じます。

国税庁は、実際の購入資金の負担割合と所有権登記の持分割合が異なる場合、贈与税の問題が生じることがあると案内しています。持分は「夫婦だから半分」で決めず、資金の流れを税理士等と確認し、登記は司法書士へ相談しましょう。

なお、例は考え方を示すものです。土地と建物で負担者が異なる場合、親からの資金援助がある場合、諸費用も借りる場合などは、その内訳を分けて確認してください。

出典:国税庁「共働きの夫婦が住宅を買ったとき」

育休・時短・退職後も、それぞれ返せるかを試算

今の収入がずっと続く前提で割合を決めると、育休や時短、転職などの時期に返済が重くなる可能性があります。通常勤務時だけでなく、収入が減る時期と回復までの期間を並べて確認しましょう。

例えば本人の月の手取りが25万円から17万円へ減る仮定なら、月7万円の返済額が変わらなくても、返済後に残る額は18万円から10万円へ減ります。ここから生活費や教育費を払えるかを確認します。これは説明用の家計例で、育休給付等の計算ではありません。

必要な現金を本人の貯蓄から準備できるか、そもそも借入総額や期間を見直すべきかを検討します。「足りなければ相手が返す」とだけ決めると、実際の負担と契約・持分の関係が崩れる場合があります。

夫婦間でも、相手の住宅ローンを代わりに返すことには贈与税の論点があります。生活費の分担と住宅取得の借入返済を混同せず、継続的な立替を始める前に税務上の扱いを確認してください。

出典:国税庁「夫名義のマンションのローンを共働き夫婦で返済した場合」

住宅ローン控除と団信も、それぞれの契約で確認する

控除額だけを最大化する割合にしない

ペアローンでは、それぞれが要件を満たす場合に住宅ローン控除を検討できます。ただし、実際の控除額は本人の対象借入額や税額などに左右されます。二人で借りれば必ず世帯の控除が最大になるとは限りません。

育休等で所得や税額が変わる年もあります。将来の控除を確実な収入のように家計へ入れず、実際の返済負担と取得する持分に合う借入を基本にしてください。制度の対象条件は、住宅ローン控除の条件と確認方法で整理しています。

一人に万一のことがあった場合、何が残るか

それぞれが本人分の団信に加入する一般的なペアローンでは、一方の保険金が支払われても、もう一方のローンまで自動的になくなるとは限りません。二人分の債務を対象とする商品などもあるため、実際の保障内容で確認します。

残る返済と生活費を、残された側の収入や保障で支えられるかを見てください。借入割合を変えると、万一の際に残る債務の大きさも変わり得るため、税額だけで決めないことが大切です。

割合を決める前に、夫婦と専門家で確認する順番

  1. 世帯全体の返済上限と、生活予備資金を決める。
  2. 各自の自己資金、借入額、返済予定額を一覧にする。
  3. 育休・時短・退職などの収入変化を家計に入れる。
  4. 購入資金の実際の負担と、土地・建物の持分を確認する。
  5. 税務、登記、金融機関の条件をすり合わせて契約する。

契約後に収入比が変わったとしても、借入割合や登記持分が自動的に変わるわけではありません。返済条件や持分の変更には金融機関の確認、登記費用、税務上の検討などが関係します。将来の変更を前提に安易に決めず、契約前に整理しておきましょう。

ペアローンの割合についてよくある質問

半分ずつ借りるのが公平ですか?

負担できる金額や自己資金は人によって異なります。家計全体の分担と、購入資金の実際の負担をもとに考えましょう。

頭金を親から受け取る場合はどうしますか?

誰が贈与を受け、誰の住宅取得資金に使うのかを明確にします。資金を受け取る前に、持分と贈与税の制度・申告を税務署や税理士へ確認してください。

年収が変わったら毎年持分を変える必要がありますか?

年収比が変わるだけで持分が自動的に変わるものではありません。実際の返済負担を変える場合は、契約と税務への影響を確認しましょう。

割合の前に、二人で続けられる返済計画を作ろう

ペアローンの割合に、すべての夫婦へ当てはまる正解はありません。総予算、自己資金、将来の手取り、保障を順に整理すると、選べる組み方が具体的になります。住宅会社との相談にも、二人分の返済条件を含む資金計画を持参しましょう。

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あわせて確認したい住宅とお金のテーマ

情報確認日:2026年9月8日。数値は説明用の仮定です。持分・贈与・控除の個別判断は、資金の内訳を示して税務署や専門家へ確認してください。

それぞれのノートを開いて住宅ローンの負担を話し合う夫婦