家の購入は人生で一番大きな買い物。だからこそ、家を購入する際には検討すべき項目が多く、なかなか購入に踏み切れないことがあるのではないでしょうか?
具体的に家の購入を検討されている方で「どれくらいの費用がかかるの?」「いつ購入すべきなの?」「購入する前に確認すべきことは?」などの疑問を持つ方によく出会います。できるかぎりこうした疑問を解消したうえで、家は買いたいものですよね。
そこで確認したいのが「家の購入にかかる費用」「家の購入タイミング」「家を購入するときに事前に確認すべきこと」の3つの点。この記事を通じてそれらのポイントを確認しながら、実際の家づくりをスタートさせていきましょう。
◆この記事を監修する専門家家の購入には、どれくらいの費用がかかるの?
家の購入で一番最初に考えたいのが「自分のほしい家はいくらくらいで買えるの?」ということ。例えば、新築と中古のどっちで購入するのか。そして土地ごと家を購入するのか、土地は購入せず、家のみ購入するのか。
ここでは新築・中古でどれくらいの費用がかかるのかを見ていきます。そしてよく忘れられがちな家の購入以外でかかる費用も見ていきましょう。
家の購入にかかる費用
「新築物件を買うか、中古物件を買うか」で、購入する際に必要となる資金は大きく異なります。
住宅市場動向調査報告によると、初めて物件を購入する方で新築の家を購入する場合に必要となる資金は平均3,500万円。
一方、同じく初めて物件を購入する方で中古の家を購入する場合に必要となる資金は平均2,500万円。新築と中古物件の価格には約1,000万円の差があるのです。
- 新築物件・・・平均3,500万円
- 中古物件・・・平均2,500万円
このような多額の資金を、住宅購入する方はどうやって用意しているのでしょうか。現金一括で購入できる方はごくわずかで、ほとんどの方は購入資金を住宅ローンを組むなどして用意することになります。
住宅購入資金の内訳としては、あらかじめ自分で用意してあった自己資金が3~4割程度、残りの6~7割は住宅ローンなどを組んで借り入れた資金です。
家の購入以外でかかる費用
注意すべきなのは家の購入以外でも費用がかかること。「えっ、家以外にもお金がかかるの?」と疑問に思われたかもしれませんが、予想外にお金が発生していきます。では、具体的に家の購入以外でどのような費用がかかるのかというと、以下のような「税金」「諸費用」といった諸経費がかかります。
「家の購入以外で発生してくるお金の例」
また、購入後にも住宅ローンで借入れを行っていた場合、その借入額に応じて「返済」「住まいの維持管理」にも費用が発生します。
このように、家の購入以外にもたくさんの費用が発生するため、家を購入する際にはあらかじめお金を十分に蓄えておく必要があります。
家を購入するタイミングはいつにするべき?
家を購入するタイミングは年収や年齢、各世帯のライフイベントを考慮に入れて、決めたほうがいいです。ここでは自分にあった購入タイミングを見極めるうえで、考えるべきポイントを見ていきます。
年収が安定したとき
今の年収がどれくらいあるのかを把握し、この先、安定した年収で生活を送ることができるのかを考えましょう。家の購入は年収が安定したタイミングで行うのがベスト。不安定なままの年収で無理に住宅を購入しても、のちのち住宅ローンの支払いが厳しくなるかもしれません。
一般的に、家の購入は年収の5倍までなら大丈夫と言われています。年収が安定して400万円もらえるのであれば、2000万円が家を購入する際の限度額になります。しかし、住宅以外にも諸経費がかかるため、資金計画は事前に練っておきましょう。
年齢から考える。ポイントは「定年までに住宅ローン完済ができるか」
家を購入する際、住宅ローンを組むことがほとんどで、返済については、会社を定年退職するまでに完済することが理想と言われています。定年退職をすると当然、会社から賃金がもらえないわけで、貯金を切り崩したり、年金で生活しなければならなくなります。住宅ローンの返済額が家計を圧迫し、生活水準をおとすことになったり、ローンが返済できないといった事態に陥ってしまうリスクもあります。だからこそ、定年退職までにはローンを完済しておきたいところ。
例えば、ローンを組んで3000万円の住宅購入を検討している夫婦のケースについて考えてみましょう。定年の60歳までにローンを完済しようとすると、30年ローンを組もうとした場合は30歳までに家を購入することが理想となります。
借り入れ金額や、返済期間などを考慮に入れて、どれくらいの年齢までには家を買うべきかを考えることは大切です。
また、家の購入に関して知っておきたい住宅ローンの返済については下記の記事も参考にしてみてください。
ライフイベントによっては、出費がかさむことも
ライフイベントを考慮に入れて、住宅購入を考えることは重要です。その都度発生してくる費用があることを頭に入れないで住宅ローンを組み、住宅を購入したらどうなるのかを考えてみましょう。
例えば、共働きで生計を立てていた夫婦が妻の急な出産によって、片方が働けなくなり、収入が減ったとします。さらにそのうえ入院費用等がかさみ、いつもより出費がかかってしまった。そのような時、住宅購入の際に組んだ住宅ローンの返済額を支払えないという状況が起こりうるかもしれません。そういった事態を防ぐためにも、「この時期にはこういうライフイベントが起こるだろう」とあらかじめプランを立てたうえで、家の購入を検討するべきです。
結婚するとき、子供ができた時、子供が学校に通うようになった時、定年退職する時などのお金が一番必要になる時期はいつなのかをおさえてから、家の購入を検討してみましょう。
消費税の増税前がおすすめ
家は高額な買い物だからこそ、消費税の増税による負担は大きいです。そのため、消費税率が10%に増税する前の今(2017年12月現在)のタイミングで家の購入をするのがおすすめです。
4,000万円の家を購入する場合、今の消費税率は8%(2017年12月現在)ですので、320万円の消費税がかかります。2019年10月に消費税が10%になることが決まっていますので、同じ住宅購入の場合だと、400万円の消費税がかかり、8%の時と比べて、80万円もの差が出てくるのです。
つまり単純計算で、今買った方が増税後に買うよりも80万円ほど安く済みます。住宅購入以外にも先ほど説明したように諸経費などもかかります。消費税増税前に住宅の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
実際に家を購入する前に何を確認すればよいのだろうか?
実際に家を購入しようと思ったとき、確認しなければならないことが、いくつかあります。 どんなタイプの家を購入するか、そのためにどれくらいの自己資金が必要か、建てるエリアや周辺環境はどうか。これらを事前に考えておくことで住宅購入がスムーズに進められるだけでなく、買ってからの失敗も未然に防ぐことができます。ここでは事前に確認すべきことを見ていきましょう。
どんなタイプの家を購入するか「新築・中古、それぞれのメリット」
ここでは新築か、中古住宅を買うかで考えていきましょう。生活面で自分にとって新築がいいのか、中古がいいのか。比較するべきポイントは価格、新しさ、間取り、設備、耐震性などがあります。
価格については冒頭の「家を購入するためにはどれくらいの費用がかかるのか?」の項目で触れたのでここでは詳しい説明は省きますが、注目すべき新築の一番のメリットは、誰も使っていないまっさらな家に住めることです。
中古は誰かが以前使っていることを気にする方もいるかもしれませんが、リフォームやリノベーションを行うことで、住まいの空間を新築同様に自分好みに設計することができます。耐震性も1981年に新耐震性基準が施行された後での中古物件であれば大きな問題はないため、新築と比べてそこまで劣っていることはないでしょう。
「新築・中古の比較」
自己資金はどれくらい必要か
家を購入する際に、手持ちの自己資金は必要です。家購入にかかる費用の2、3割くらいは、自己資金で用意したいところ。具体的に必要なのは、「頭金」と呼ばれる家を購入する際に住宅価格の一部を現金で支払うお金や、先ほど説明した登記費用、税金、ローンに関する諸費用など。
頭金が0円でも家を買うことも可能で、実際に少ない自己資金で家の購入に踏み切る人もいます。しかし、ローンを借りるなどして少ない資金で家を購入しても、いずれはそのお金を返していかなければならないのです。そのため、一定の自己資金は貯めておいてから家を購入することをおすすめします。
建てるエリアや周辺環境はどうなっているか
自分がどのような生活をしていくかのイメージを持つことは重要です。そしてイメージにそって建てるエリアや周辺環境を選びましょう。
例えば、小さい子供がいる家庭であれば、建てるエリアに通わせられる幼稚園や保育園、近所に公園などの遊べる場があった方がいいでしょう。また、子供がいない夫婦共働きであれば、通勤するために最寄駅から自宅までの距離が短い方が望ましいと思われます。
家の購入は大きな買い物であるからこそ、事前に自分たちの生活から、建てるエリアや周辺環境を考え、家を購入しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?家を購入するために必要な費用や購入するタイミング、購入する前に確認すべきことが分かったのではないかと思います。
家の購入は人生で一番大きな買い物であるからこそ、失敗したくないですよね?ただ家の購入タイミングや選び方などには正解などありません。だからこそ、自分の中で家の購入に納得が持てるよう、購入の際に必要な情報は集めておきましょう。
家は購入するまでの決断は難しいですが、記事を通じて、少しでも理想の家を得られる人が増えればと思います。
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河野 清博
経営コンサルティング会社にて、住宅業界のコンサルティングに8年従事。「世界で最も納得感のある購買体験を創る」をコンセプトに⋯ >>アウカについて詳しく