住宅ローンを借り換えるタイミングは、金利が下がったときだけではありません。固定期間の終了や、家計・保障を見直したいときも、現在の契約と新しい条件を比較する機会になります。
判断の基本は、同じ残期間で「これからの返済総額+借り換え費用」を比べることです。月額が下がる理由が金利差なのか、返済期間の延長なのかも分けて確認しましょう。
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住宅ローンの借り換えは、新しい借入で今のローンを完済すること
借り換えでは、新たに住宅ローンを契約して、現在のローンを返済します。返済中の金融機関で金利タイプを変更する手続きとは異なり、新しい融資の審査や登記などが必要になります。
そのため、新しい金利だけを見て「差額がそのまま得になる」と計算することはできません。融資手数料、今のローンの完済費用、抵当権の抹消・設定に伴う費用などを含めて比較します。
出典:三菱UFJ銀行「住宅ローン借り換えのメリット・デメリット」
借り換えを比較するきっかけは4つ
現在の契約と、新たに利用できる金利に差がある
返済予定表で現在の適用金利を確認し、新たに利用できる商品の金利を調べます。広告に表示された最も低い金利が、必ず自分に適用されるとは限りません。審査結果や選ぶ団信等を反映した条件で試算してもらいましょう。
固定金利の適用期間が終わる
固定期間が終わる場合は、その後の適用金利や引下げ幅を確認する機会です。現在の金融機関で継続する案と、借り換える案を同じ時点で比較します。手続きには時間が必要なので、終了日の直前まで待たず、案内を確認して相談してください。
金利変動を抑えたい
変動から固定へ借り換える目的は、必ずしも返済総額を減らすことではありません。教育費が増える時期などに返済条件を安定させたい場合、固定の範囲と費用を比較します。一定期間固定と全期間固定を区別してください。
基本の仕組みは、固定金利と変動金利の違いで確認できます。
保障や返済計画を見直したい
団信や返済期間を変更したい場合も比較の機会になります。ただし、保障が厚くなれば上乗せ金利等が生じることがあり、期間を延ばすと総利息が増える場合があります。「毎月いくら減るか」と「何歳まで返すか」を一緒に確認しましょう。
残高・残期間・費用を揃えて試算する
「残高1,000万円以上、残期間10年以上、金利差1%以上」といった目安だけで可否を決めないでください。効果は費用体系や返済条件によって変わります。目安に届かなくても比較する余地がある一方、数字を満たしていても希望どおりの効果が出るとは限りません。
まずは現在の残高、完済までの月数、返済方法を揃えます。変動金利を含む試算は将来金利を仮定したものなので、金利が上がる場合の比較も別に用意してください。
| 比較項目 | 現在のローンを継続 | 借り換え |
|---|---|---|
| 計算上の金利 | 年2% | 年1% |
| 毎月返済額 | 約10万1,177円 | 約9万1,979円 |
| 今後の返済総額 | 約2,428万円 | 約2,207万円 |
| 借り換え費用(仮定) | なし | 60万円を現金払い |
| 今後の返済と費用の合計 | 約2,428万円 | 約2,267万円 |
元利均等返済、ボーナス払いなし、各金利が20年間変わらない仮定です。費用60万円は相場ではなく説明用の設定です。税控除や保証料の返戻等は含まず、実際の商品を示すものではありません。端数処理により差が出ます。
この例では、費用を含めた差額は約161万円です。費用を無視した約221万円をそのまま借り換え効果とは扱いません。すでに支払った過去の利息は、今後の二つの選択肢の比較に再び加えないようにしましょう。
諸費用は、新旧両方の金融機関で確認
新しいローンの手数料・保証料の仕組み、契約に伴う費用、抵当権設定費用を確認します。現在のローンについても、全額繰り上げ返済の手数料や抵当権抹消費用等を確認してください。
保証料を一括前払いしている場合は返戻の有無や差し引かれる費用を確認します。融資手数料と保証料は同じものではなく、払った費用がすべて戻るとは限りません。
諸費用を新しい借入額に含められる商品もありますが、その分の元金と利息が増えます。この場合、増額後の返済総額に、同じ諸費用をもう一度現金支出として加えると二重計上になります。借りる費用と現金で払う費用を分けてください。
出典:三菱UFJ銀行「借り換え時の諸費用の借入」、全国銀行協会「住宅ローンにかかる諸費用」
団信・審査・住宅ローン控除の確認も必要
今の団信がそのまま移るわけではない
借り換えでは新しい団信の加入手続きが必要になる場合があります。健康状態の告知、加入年齢、支払条件、保障開始日を確認しましょう。以前の借入時に加入できたから、今回も同じ保障に入れるとは限りません。
現在の保障が終わる時点と、新しい保障が始まる時点も確認します。審査や加入条件が確定していないうちに、既存の保障を前提なく解約することは避けてください。
控除期間は借り換えでリセットされない
住宅ローン控除は、借り換え後も一定要件を満たせば継続できる場合があります。新しい借入が元の住宅ローン返済のためであることが明らかで、償還期間10年以上などの要件を満たすことが必要です。
借り換えによって控除期間が延長されることはありません。また、諸費用を含めて元の残高より多く借りる場合などは、控除対象の年末残高の計算に調整が必要になることがあります。
出典:国税庁「住宅ローン等の借換えをしたとき」。制度全体は住宅ローン控除の条件も確認してください。
借り換え相談に持参する確認表
| 項目 | 用意・確認すること |
|---|---|
| 現在のローン | 返済予定表、残高、適用金利、残期間、団信 |
| 新しいローン | 審査後の金利、期間、団信、適用日 |
| 費用 | 新旧ローンの費用、登記、現金払いと借入分 |
| 本人・物件資料 | 所得資料、返済状況、登記等の指定書類 |
| 税控除 | 残りの適用期間、借換後の対象額、証明書類 |
| 工程 | 完済申込期限、融資日、登記書類の受渡し |
現在の金融機関での金利タイプ変更や、手元資金を使う繰り上げ返済も比較対象になります。現金を減らしたくないのか、返済額を下げたいのか、目的を先に整理しましょう。
住宅ローン借り換えのよくある質問
月額が下がれば必ず得ですか?
返済期間の延長で下がる場合は、総利息が増えることもあります。同じ残期間の比較を先に行い、費用を含む総額と完済年齢を確認してください。
数年以内に売却する予定でも比較すべきですか?
比較はできますが、長期間返済を続ける試算だけでは判断できません。売却予定時点までの支払額と残高、借り換え費用等を含めて確認しましょう。
固定から変動への借り換えは必ず利息を減らせますか?
将来の変動金利によります。現在の金利が続く試算だけでなく、上昇時の返済額と家計余力も確認してください。
金利差を見つけたら、総額と保障を同じ条件で比べよう
借り換えの適切な時期は、家計と契約条件によって異なります。返済予定表と費用見積もりを揃え、金融機関の試算で比較しましょう。住み替えや建て替えも検討している方は、その費用と工程も含めて住宅計画を整理してください。
あわせて確認したい住宅とお金のテーマ
情報確認日:2026年9月8日。試算は仮定です。適用金利、費用、団信、税控除は実際の契約と最新の案内で確認してください。






