住宅ローンのボーナス払い|月々の負担と収入変化への備え

帰宅後の食卓で家計ノートを確認する女性

住宅ローンのボーナス払いを使うと、毎月の返済額を抑えられます。一方で、賞与の支給月にはまとまった返済が必要です。月額の安さだけを見て借入額を増やすと、賞与が減ったときや転職したときに負担が集中することがあります。

ボーナス払いは、年間の返済額と、賞与が減った場合の資金繰りまで確認して選びましょう。この記事では、毎月払いとの違い、同じ借入条件での比較、返済中に見直す際の注意点を紹介します。

アイキャッチはAI生成による架空のイメージです。

住宅ローンのボーナス払いは、毎月返済への上乗せ

ボーナス払いでは、借入額の一部をボーナス返済分に割り当て、通常は年2回などの返済月に支払います。その月は、毎月返済分も合わせて払います。賞与が支給されなかったからといって、契約上の返済が自動的に免除されるわけではありません。

例えば毎月8万円、ボーナス月に12万円を増額する契約なら、ボーナス月の引き落としは20万円です。「ボーナス払い12万円」という表示が、増額分なのか、その月の合計額なのかを確認しましょう。

また、ボーナス返済へ割り当てられる借入額の割合や返済月は、商品ごとに条件があります。賞与をいくら受け取るかという割合と、借入元金のうち何割をボーナス返済にするかは別の数字です。

出典:三菱UFJ銀行「住宅ローンのボーナス払い」

3,000万円の借入で、ボーナス払いあり・なしを比べる

借入額3,000万円、返済期間35年、年利2%が全期間変わらない元利均等返済の仮定で比較します。併用する場合は、2,400万円を毎月返済分、600万円を6か月ごとのボーナス返済分にします。

同じ借入額・金利・期間での概算比較
比較項目 毎月払いのみ ボーナス払い併用
通常月の返済額 約9万9,379円 約7万9,503円
ボーナス月の増額分 なし 約11万9,597円(年2回)
ボーナス月の合計返済額 約9万9,379円 約19万9,100円
年間返済額 約119万2,546円 約119万3,231円
35年間の総返済額 約4,173万9,109円 約4,176万3,072円

計算は毎月分の利率を年利÷12、ボーナス分を年利÷2とし、初回ボーナス返済が6か月後、以後6か月ごとに70回と仮定しています。手数料、保険料、税金等は含まず、表示は端数を丸めています。実際は初回返済までの期間や端数処理、金利変更等で異なるため、申込先の返済予定表で確認してください。

この例では、通常月は約2万円軽くなる一方、ボーナス月は約20万円の支払いになります。年間の負担が大幅に減るわけではなく、総返済額は約2万4,000円増えます。ボーナス分は元金を返す間隔が長くなるため、利息を含めた総返済額が増えるケースがあります。

金利タイプによる違いは、固定金利と変動金利の選び方も確認しましょう。ボーナス払いの有無を比べるときは、金利・期間・借入額を揃えることが大切です。

ボーナス払いを選ぶ前に確認したい3つのこと

賞与の手取りから、ほかの使い道を差し引く

賞与には、税金や社会保険料が差し引かれます。額面ではなく手取りを基準に、教育費、車、家電、旅行、貯蓄などの支出予定を整理します。毎年の固定資産税や保険料も賞与で賄うなら、同じお金を二重に使う計画になっていないか確認してください。

例えば手取り賞与が年60万円で、ローンの増額分に年24万円、教育関連費に20万円を使うと、残りは16万円です。ここから税金・保険・臨時支出も出す予定なら、足りるかを見直す必要があります。この数字は家計整理の仮定であり、推奨配分ではありません。

賞与が半分・ゼロになった年を試す

勤務先の業績、転職、育児休業、働き方の変更などによって、賞与の額や支給時期は変わります。昨年の賞与が今後も続く前提だけで決めず、減額した年を想定しましょう。

年24万円のボーナス返済分を毎月の給与から備えるなら、月2万円の取り分けが必要です。通常月の返済にこの準備額を加えても家計が回るかを確認します。給与から積み立てられない場合は、手元の予備資金を何回分まで使えるか、ほかの支出に影響しないかを確認してください。

返済が続く年齢まで、賞与があるとは限らない

35年など長期間の返済では、途中で定年や再雇用を迎える場合があります。現役時代と同じ賞与が続くとは限りません。退職前後の収入と住宅ローン残高を確認し、将来の一括返済や条件変更を当然にできる前提で借入額を増やさないようにしましょう。

家計の基準づくりには、手取りと将来支出から考える借入額が参考になります。

ボーナス払いと、賞与からの繰上返済は別の方法

ボーナス払いは、契約で決めた返済です。繰上返済は、通常の返済に加えて、余裕資金があるときに元金を返す方法です。毎月払いだけで契約し、賞与を受け取った後に家計を確認して、一部を繰上返済へ回す考え方もあります。

ただし、繰上返済には最低額や手数料、手続き日、返済期間や毎月返済額への反映方法などの条件があります。生活予備資金、教育費、住宅の維持費を残し、住宅ローン控除への影響も確認して判断しましょう。

どちらが常に得かではなく、契約上の返済をどの収入で安定して続けられるかが選ぶ基準です。賞与がない働き方でも、商品が認める返済方式と家計の支払能力を確認して選びます。

返済中に賞与が減ったら、早めに金融機関へ相談する

ボーナス返済額や返済月、毎月払いだけへの変更を相談できる場合があります。ただし、申込をすれば必ず希望どおり変更できるわけではありません。変更後も返済を続けられるかの確認や、所定の手続きが必要です。

ボーナス返済を見直すときの確認表
確認項目 金融機関に伝える・聞くこと
収入の変化 賞与の減額・支給月変更・転職等の状況
希望する変更 増額分を減らす、毎月払いへ変える、月を変える等
変更後の負担 毎月額、年間額、総返済額、残期間
実施時期 申込期限、次回の支払いへの反映、必要資料
費用 手数料、経過利息、契約変更に伴う費用
返済が難しい場合 現在の不足額、手元資金、利用できる相談・変更手続き

フラット35には、ボーナス払いの取り止めや毎月分との内訳変更などのメニューがあり、審査・承認が必要です。同制度の案内では手続き手数料はかからないとされていますが、民間銀行の商品まで一律に無料とは限りません。

例えば三菱UFJ銀行では、ボーナス返済額・ボーナス月などの返済条件変更について手数料が案内されています。自分の契約と申込方法で確認してください。承認されるまでは現在の返済予定が続くため、次の支払日までに間に合うかを早めに相談します。

出典:フラット35「返済方法の変更を希望するときは」三菱UFJ銀行「借入後に必要な住宅ローン手数料」

住宅ローンのボーナス払いについてよくある質問

ボーナス払いを使うと借入額を増やせますか?

審査は年間の返済負担などで確認されます。月額表示が小さくなることと、無理なく返せる借入額が増えることは別です。年間額と賞与が減った場合を見て判断しましょう。

賞与が出なければ、その回だけ払わなくてもよいですか?

支給の有無にかかわらず、契約で定めた返済が必要です。難しい見込みが分かった時点で金融機関へ相談し、口座残高だけを空にして対応しないようにしてください。

ボーナス払いをやめれば返済額全体が減りますか?

同じ残高・残期間なら、ボーナス分を毎月へ振り替えることで通常月の返済額が増えるのが基本です。条件変更後の予定表で、総額と月ごとの負担を確認してください。

住宅予算は「通常月が払える」だけで決めない

ボーナス払いは支払時期を調整する方法の一つです。住宅会社を比較するときも、月々の返済例だけでなく、賞与月の合計額と年間の住居費を確認しましょう。アウカでは、希望する暮らしと総予算を整理しながら、家づくりの相談を進められます。

アウカで家づくり・住宅会社選びを相談する

あわせて確認したい住宅とお金のテーマ

情報確認日:2026年9月8日。試算は説明用の仮定で、現在の適用金利を示しません。返済条件・変更手続きは金融機関で確認してください。

帰宅後の食卓で家計ノートを確認する女性