まとめて確認!おもな住宅工法、それぞれのメリット・デメリット

住宅工法

おしゃれなデザインや内装・インテリアから住宅選びをされる方も多いのではないでしょうか?

しかし、デザインや内装はどのハウスメーカー・工務店でも似せることができます。

そこで注目していただきたいのが、構造体は各メーカー・工務店の特徴が一番出る部分だということ。しかも建築コストの約70%は「構造に関わる費用」です。

そんな大事な構造体選び。主な住宅工法、それぞれのメリット・デメリットから構造体を整理していくことで、「どんな工法の住宅にすればいいんだろう?」という疑問を解消していきましょう。

◆この記事を監修する専門家

どんな工法の住宅にすればいいんだろう?知っておきたい工法の見方

ここまで住宅工法それぞれの特徴について、メリット・デメリットと合わせて確認してきました。

そこで気になるのが、「じゃあ、どんな工法にすればいいんだろう?」ということ。一戸建て住宅を建てるにあたって自分にあった工法を選択するには、それぞれの工法の特徴を整理して比較する必要があります。

そんな工法を決めるにあたってヒントとなる工法別の特徴を、下記にまとめました。これまで取り上げた工法別のメリット・デメリットも、評価に反映されています。

住宅工法

たとえば鉄筋コンクリート構造の場合ですと、耐火性などは全て優れているのですが、いざというときにリフォーム(およびリノベーション等)が出来ないので、「将来的に改築がしたい」という方にはあまり向いていません。

このように、上図から大枠で自分にあっている構法はどれなのか?を把握しておくと、家づくりの際に役に立つでしょう。

「家のタイプとコストのバランス」から工法を決めよう

「工法はどれが一番いいか悪いか」ということは、家を建てたい人の理想の住宅イメージによって変わってくるため、一概にどれが適しているということは言えません。

そこで、家のタイプとコストのバランスで工法を決めることが大事になってきます。家のタイプは先ほどみたように、設計の自由度、耐震性、工期など、工法の種類によってそれぞれ異なってきます。改めて上の図の工法別の特徴を参考に、「自分だったらどの工法がいいか」と考えてみてください。

自分の希望として「コストは高くても耐久性に優れた家がいい」「将来ライフスタイルに合わせてリフォームすることも考えられるから、設計自由度を大事にしたい」などの視点から見ると、工法を選択する際のヒントとなります。

また、家づくりをするにあたっては以下の点についても確認することで、安心した家づくりによりいっそうつながります。

・敷地の形状や条件に対応できるか
・地盤に適しているか
・理想とする間取りや空間ができるか
・好きなデザインの家ができるか
・健康的な暮らし・省エネ性はあるか

変形敷地や狭小敷地では、特に敷地への対応力をよく確認することも重要。工法の選択の際には、自分の希望だけでなく、家づくりの環境条件もセットで見ておきましょう。

住宅工法の基本となる、3つの建物構造とは

まずは住宅工法の基本となる、3つの建物構造について見ていきしょう。構造ごとに特徴を抑えることで、それぞれの工法の理解がスムーズになります。

一戸建て住宅の工法は、「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造(RC造)」の3タイプに大きく分けられます。日本の戸建て住宅の多くは木質系で建築されています。

以下ではそれぞれの構造について説明していきます。

木造

木造住宅は木材を構造体に使用しており、日本の住宅の半分以上を占めている構造。小規模アパートなどで現在でも採用されています。

鉄骨造

鉄骨造は、柱や梁など骨組に鉄骨を使用した構造のこと。強度としては木造よりも強いです。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造は鉄筋コンクリートを用いた建築の構造。主に柱や梁、床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されていて、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めたものを指します。しっかりとした強度を必要とするマンション建設に用いられることが多いです。

主な住宅工法における、メリット・デメリット

以上が一戸建て住宅工法の3つの基本の構造です。

次に、その3つの構造がベースとなった、主な4つの住宅工法として有名な「在来工法」「ツーバイフォー工法」「鉄筋コンクリート構造(場所打ちコンクリート工法)」「鉄骨組工法」があります。

それぞれの住宅工法のメリットデメリットについて詳しく見ていきましょう。

①在来工法…低コストで日本らしい住宅をつくることができる

木造軸組(在来)工法

出典

在来工法は、日本の気候・風土のなかで育まれてきた伝統的な工法。木造構造がベースとなっていて、木材で土台・柱・梁を組んで骨組みが作られているのが在来工法の構造です。

<メリット>
・日本らしいデザイン
・低コスト
・増改築にも対応しやすい
・設計の自由度が高い
・開口部が大きく取れ、増改築にも対応しやすい
・将来リフォームがしやすい

<デメリット>
・害虫被害
・職人の腕に左右されることも(最近は工場で木材を加工するプレカットによって職人の腕に左右されるリスクは少なくなりつつあります)
・柱のない大空間などに対する設計の自由度は低い

木造住宅の特長(メリット)としては、日本らしいデザインを引き出すことができることがあります。昔から建てられてきた工法ということもあって、和風な家づくりに適しています。また、コストも低価格で抑えることができるのも大きなメリットのひとつ。

デメリットとして大きいのは、害虫被害。木は自然素材の良さが魅力的である一方、シロアリ等の害虫による被害に困らされることも多いです。そのため、床下や屋根裏の湿気やシロアリ対策が大切になってきます。

②ツーバイフォー工法…木造でも地震に強いつくり

ツーバイフォー工法出典:LOVING TOWN

ツーバイフォー工法(木造枠組壁式工法)は、アメリカで発達・普及した合理的な作りが特徴の工法です。なぜ「ツーバイフォー」というのかというと、木の間柱のサイズが「2インチ×4インチ」となっているから。構造としては、木の間柱と合板等の板材で壁を作り、壁で建物を支えるという構造になっています。

<メリット>
・耐熱性能を持たせやすい
・施工ミスが少ない
・耐震性能が高い(在来工法と比べて、1.5から2倍程度の耐震性能)
・低コスト
・高気密・高断熱が簡単

<デメリット>
・自由度が在来工法より低い
・害虫被害を受ける可能性がある
・構造体が壁のため在来工法よりも構造の制約がある
・増改築の自由度も在来工法より低い

ツーバイフォー工法の特長(メリット)としては、材料寸法や釘の規格化によって低コスト化が可能となること、職人の腕に左右されないことなどがあげられます。また、柱や梁という「点」で支えるのではなく、壁という「面」で全体を支える工法ですので、地震等にも非常に強いというメリットがあります。

その反面、壁の量と配置バランスによって建物が構成されているため、壁に大きな窓を開けたりすることは不得手。自由度としては在来工法より低いです。木造軸組(在来)工法と同様に木造であるため、害虫被害を受ける可能性もあることが懸念点としてあげられます。

また、構造としての制約もあります。なぜなら、構造体が壁という面を基本とした構造であるためであるから。よって壁に大きな開口部を設けにくい構造でもあります。

③鉄筋コンクリート構造(場所打ちコンクリート工法)…自由なデザインで、しっかりとした家に

鉄筋コンクリート構造(場所打ちコンクリート工法)

出典:フリー写真素材ぱくたそ

鉄筋コンクリート構造は、鉄筋を組み、囲った型枠にコンクリートを流し込むことで柱・梁・壁・床等を造る工法です。「場所打ちコンクリート工法」とも呼ばれます。

<メリット>
・耐久性、耐火性、防音性に優れる
・どんな形でもつくれるので、自由なデザインの住まいができる

<デメリット>
・夏暑く、冬寒い
・価格が比較的高い

特長としては、なによりもコンクリートと鉄の長所を生かした強固な構造であること。そのため耐久性に優れており、地震や火災にも強い作りとなっています。また、コンクリートは木材と比べて非常に重いため、音が伝わりにくく、防音性能にも優れています。

懸念点としては、費用が比較的高くついてしまうことがあります。建物の構造をつくるだけでも鉄筋コンクリート構造の場所打ちコンクリート工法は工程が非常に多く、長い工期が必要。そのため、家づくりのコストがふくらんでしまう工法となってしまいます。

また、コンクリートの性質上「夏暑く、冬寒い」となりがち。解決するには、外断熱工法にする必要があります。

④鉄骨組工法…安定した性能と圧倒的な耐震性

鉄骨組工法は、鉄の柱や梁などの構造体を鋼材で造る工法です。工業製品で大量生産を可能にしていているため、性能が安定しています。

<メリット>
・耐震性が高い
・工場生産のため安定している

<デメリット>
・結露を起こしやすい
・防音性能に劣る
・火災時の高熱に弱い
・リフォームが困難

耐震性能が高いことも特長。安心で確実な住まいを重視するのであれば、鉄骨軸組工法はおすすめの工法です。工期はある程度短くて済むことと、強度があるため地盤に対しての負荷がかからないために、全体としてのコストを減らすことができます。

しかし鉄骨組工法は設計プランにあたって木造よりも制約が大きい点に注意が必要。そのため、自由度の高い家づくりや将来のリフォームは困難となりやすいです。

まとめ

以上が主な住宅工法それぞれのメリットデメリットについてでした。それぞれの特徴がわかることで、自分にとってどの工法が適切かということがわかってきたかと思います。

工法は家の骨格となる、重要な要素。「まず工法から家づくりを考える」ともいうように、大事な住宅工法について今一度考えておきましょう。

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