転職前後の住宅ローン|申込時期と金融機関への確認事項

引っ越し後の部屋で仕事用のバッグを椅子に置く男性

住宅購入と転職の時期が重なると、「転職前に借りた方がよいのか」「転職直後は申し込めないのか」と迷いやすくなります。年収が上がる転職でも、住宅ローンの審査では現在の勤務先や給与の確認が必要です。

転職前後の住宅ローンは、転職の予定と手続きの段階を金融機関に伝え、申し込める時期・年収の扱い・必要資料を確認しましょう。勤続年数の条件は商品ごとに異なり、事前審査の承認後や融資実行前にも確認が必要です。

アイキャッチはAI生成による架空のイメージです。

転職したら住宅ローンを借りられない、とは限らない

金融機関によって、勤続年数の条件や転職した人の収入確認の方法は異なります。「転職後は必ず3年待つ」「1年たてば必ず通る」といった共通ルールはありません。

たとえばPayPay銀行は、2026年8月27日公開の案内で、転職予定の人は転職後に申し込むこと、転職済みの人は申し込みを受け付けることを示しています。転職後1年未満の場合の必要書類も案内しています。ただし、申し込み可能であることと、審査に通ることは別です。

出典:PayPay銀行「転職した・転職予定の場合の申し込み」

一方、同一勤務先での勤務期間などを利用条件にする商品もあります。自分の希望する金利や保障だけで候補を決めず、現時点の勤務状況で申し込めるかを先に確認してください。

参考:三菱UFJ銀行「住宅ローンは転職後でも組める?」

段階ごとに、金融機関へ伝える内容が違う

現在の段階 伝えること 確認したいこと
住宅ローン申込前・転職予定 退職予定日、入社予定日、雇用条件 転職前に申込可能か、どの時点から受付可能か
転職済み・申込前 入社日、雇用形態、給与・賞与実績 年収の入力方法、必要な明細の月数
事前審査後・本審査中 勤務先変更と収入・雇用条件の変化 再審査、追加資料、回答日程
本審査承認後・実行前 転職・退職が決まった事実 承認条件や融資実行への影響
融資実行後 勤務先などの変更事項 契約上の届出、給与振込等の条件

住宅ローンのためだけに転職の判断を決める必要はありません。ただ、住宅の契約や支払いと重なる場合は、資金を受け取れる時期を確認することが重要です。転職を申告しないまま以前の条件で進めると、申込内容との不一致につながります。

転職後の年収は、前年の源泉徴収票だけで決めない

転職した年の源泉徴収票には、前の勤務先の収入が含まれたり、新しい職場で働いた期間が短かったりします。金融機関がどの年収を審査に使うかを確認せず、希望する数字を入力しないようにしましょう。

新しい勤務先の見込年収を使う金融機関もあれば、支給された給与を所定の方法で年換算する取扱いもあります。固定給、歩合給、残業代、賞与をどう扱うかも確認が必要です。雇用契約書に書かれた年収が、そのまま審査に採用されるとは限りません。

フラット35の申込案内にも、転職した給与収入者についての計算例があります。日割りの給与しか支給されていない月の扱いなど、独自の計算条件があるため、単純に直近月の給与を12倍すればよいとは考えないでください。

出典:住宅金融支援機構「Web申込サービス・主債務者情報の入力案内」

準備する資料を、入社日と収入が分かる形で整理する

確認される内容 資料の例 注意点
現在の雇用条件 雇用契約書、労働条件通知書など 雇用期間、試用期間、基本給等の記載
実際の収入 給与明細、賞与明細など 必要な月数、日割り月、支給実績
これまでの収入 源泉徴収票、課税証明書など 前職分を含めた提出範囲
職歴 職務経歴書など 勤務期間、職種、空白期間を正確に記載
借入れ・物件 返済予定表、売買契約書、図面など 通常の住宅ローン資料も必要

表は準備のための例で、全員にすべて必要という意味ではありません。入社直後で給与明細がそろわないときは、代替資料や申込時期を金融機関に相談します。会社が発行する書類は日数がかかる場合もあるため、取得先と期限を先に確認しましょう。

必要書類の一例は、三菱UFJ銀行「住宅ローンの必要書類」でも確認できます。審査全体の準備は、住宅ローン審査の流れを参考にしてください。

審査中の転職は、承認後でも連絡する

事前審査や本審査の結果は、申し込んだときの条件を前提としています。転職によって年収が上がる場合でも、勤務先や雇用形態が変われば追加確認が必要になることがあります。

三菱UFJ銀行の申込案内では、申込内容に変更がある場合の届出と再審査について説明しています。変更内容によっては融資実行に至らない可能性もあるため、「年収が増えたから連絡不要」と自己判断しないでください。

出典:三菱UFJ銀行「住宅ローンお申し込みにあたって」

連絡するときは、転職日、勤務先、雇用条件、給与見込み、入手できる資料をまとめると確認が進めやすくなります。住宅会社や不動産会社にも、審査の日程に影響する可能性を共有しましょう。

融資実行後は、届出と家計の変化を確認する

融資実行後の転職については、勤務先などの変更届や、給与振込を条件とする優遇など、契約先の手続きを確認します。転職しただけで直ちに一括返済になる、あるいは何の届出も要らない、と一律には判断できません。

家計では、給与の締め日・支給日の違いによる入金間隔、初年度の賞与、引っ越し費用、通勤費の精算などを確認します。年収が上がる予定でも、転職直後の数か月は手元資金が薄くなる場合があります。

たとえば毎月の生活費と住宅費の合計が35万円なら、入金のない月を1か月乗り切るには、単純計算で35万円が必要です。これは架空の家計例です。退職月と入社月の給与、各種支払いを実際の日付で並べ、必要な現金を確認してください。

返済が難しくなる見込みがある場合は、支払いが遅れる前に金融機関へ相談しましょう。借換えを考える場合には新たな審査があるため、転職後の勤務状況が再び確認されます。

転職と住宅ローンのよくある質問

転職前に急いで住宅ローンを契約した方がよいですか?

一律にはいえません。転職予定を伝えたうえで申込条件を確認し、住宅の支払日程と仕事の予定を調整します。契約を急ぐことより、正確な申告と資金計画が重要です。

同じ業種への転職なら審査に影響しませんか?

同業種でも勤務先や収入の条件は変わります。職歴の継続性がどう評価されるかは金融機関の判断であり、影響がないとは断定できません。

試用期間中でも申し込めますか?

金融機関や商品で扱いが異なります。試用期間と正式採用後の条件、提出可能な資料を伝え、いつ申し込めるか確認してください。

転職後1年たてば必ず通りますか?

勤続年数は確認項目の一つです。収入、他の借入れ、物件、団信なども関わるため、一定期間の経過だけで合否は決まりません。

仕事の変化と家づくりの工程を、一つの予定表に

転職前後は、審査で使う資料と実際の家計の両方が変わりやすい時期です。退職・入社・給与支給・住宅契約・融資実行の日付を並べ、確認が必要なところを金融機関に相談しましょう。

事前審査と本審査の違いを押さえ、家づくりの資金計画も見直してください。予算に合う住宅会社や家づくりの進め方は、アウカの無料相談をご活用ください。

あわせて確認したい住宅とお金のテーマ

情報確認日:2026年9月8日。転職時の取扱い、必要資料、年収算定、審査結果は金融機関・商品・本人の状況で異なります。

引っ越し後の部屋で仕事用のバッグを椅子に置く男性