こんにちは、アウカです。
自然素材の家にご興味をお持ちの方へ。
「本当に自分たちに合うだろうか?」
「手入れが大変なのではないか?」
そんなふうに迷われるお気持ち、よくわかります。
家づくりは、人生の大切な選択のひとつです。
焦らず、じっくりと、ご自身にとって本当に心地よい住まいを選びたいものですね。
この記事では、
自然素材の家づくりの魅力や注意点、
そして、自然素材を取り入れることが向いている方・無理に選ばなくてもよい場合のやさしい判断基準まで、丁寧にご紹介いたします。
お読みいただいた後に、
「自分たちにとって、どんな住まいがいちばん合っているのか」
少しでもイメージを深めていただけたら幸いです。
どうぞ、肩の力を抜いてご覧ください。
>>判断基準が先に知りたい方はこちら
目次
自然素材を使った家って、どんな家?
自然素材を使った家とは、
木、土、石、紙といった、自然の恵みを活かして建てられる住まいのことを指します。
たとえば、床材に無垢の木材を使ったり、壁に珪藻土や漆喰(しっくい)を塗ったり、
断熱材にも自然由来の素材を取り入れたりと、建材の選び方ひとつひとつに、
自然とのつながりを感じられる工夫が込められています。
これらの素材は、化学物質をほとんど含まないため、
住む人の体にもやさしく、また時間とともに味わいを深めるという特長があります。
「呼吸する家」ってどういうこと?
自然素材の家は、よく「呼吸する家」とも呼ばれます。
これは、無垢材や土壁などが、空気中の湿気を吸ったり吐いたりしながら、
室内の湿度を自然に調整してくれる性質を持っているためです。
たとえば、梅雨の時期は湿気を吸ってくれるのでべたつきにくく、
冬の乾燥時期には湿気を放出して、空気の乾燥を和らげてくれます。
エアコンや加湿器に頼りきらなくても、自然の力で快適な空間をつくりだす──
それが、自然素材の家ならではの魅力のひとつです。
家族にも環境にもやさしい理由
自然素材の家は、住む人だけでなく、地球環境にも配慮された住まいです。
素材の多くは再生可能な資源からできており、製造過程でのエネルギー消費も少ないため、
いわゆるサステナブルな暮らしにもつながります。
また、化学物質を極力使わないことで、
小さなお子様やペットがいるご家庭でも、安心して過ごしていただける環境を整えることができます。
長く住み続けるうちに、自然素材ならではの風合いや経年変化も楽しめる。
そんなふうに、住まいと一緒に暮らしを育んでいけることも、自然素材の家の大きな魅力です。
自然素材の家のメリット
空気がきれい(シックハウス対策にも)
自然素材を多く使った住まいは、室内の空気環境がきれいなのが大きな特長です。
新築の家にありがちな、化学物質によるシックハウス症候群のリスクも抑えることができ、
小さなお子様やアレルギーが気になる方にとっても、安心できる環境をつくりやすくなります。
目に見えない空気だからこそ、住まう方の健康への影響はとても大切な要素ですね。
経年変化を楽しめる(「劣化」ではなく「味わい」)
無垢材の床や、塗り壁などは、時を重ねるごとに独特の風合いを深めていきます。
これは、一般的な「劣化」とは少し違い、家とともに過ごした時間の証でもあります。
たとえば、無垢の木の床にできた小さなキズも、
暮らしの思い出として愛着を持って受け止めることができるかもしれません。
家が”完成”するのではなく、家族と一緒に成長していく。
そんな感覚を味わえるのも、自然素材の家ならではの魅力です。
断熱性・調湿性にすぐれている(夏涼しく冬あたたかい)
木材や土壁など、自然素材には断熱性や調湿性に優れたものが多くあります。
夏は外からの熱をやわらげ、冬は室内の暖かさを保つ。
また、湿度の高い季節には湿気を吸収し、乾燥する季節には湿気を放出する。
こうした自然の調整機能によって、一年を通して快適な室内環境をサポートしてくれます。
省エネにもつながり、暮らしの心地よさだけでなく、家計にもやさしい効果が期待できます。
自然素材の家の注意点・デメリットも知ろう
手入れやメンテナンスが必要なことも
自然素材は、人の肌と同じように、呼吸しながら生きている素材です。
そのため、汚れや乾燥などに対して、ある程度のお手入れが必要になることもあります。
たとえば、無垢材の床には定期的なオイルメンテナンスが推奨されたり、
漆喰壁には小さなひびが入ることもありますが、これらも自然素材ならではの「味」として楽しめるかどうかがポイントです。
多少の手間も、「家を育てる時間」として前向きにとらえられる方には、とても向いている選択肢だと思います。
一時的にコストアップすることがある(でも長い目で見ると…?)
自然素材は、素材そのものの価格や施工に手間がかかることから、
どうしても初期費用が一般的な建材より高めになる場合があります。
ただし、長い目で見れば、
- 室内環境の向上による健康リスクの低減
- 経年変化を楽しみながら長く住み続けられる
- 省エネ効果によるランニングコストの削減
といった点で、結果的にコストパフォーマンスが高い選択になることも多いです。
「今」だけを見るのではなく、「これからの暮らしの豊かさ」を一緒に考えることが大切ですね。
すべてを自然素材にこだわる必要はないことも
自然素材に興味があっても、
必ずしも家じゅうをすべて自然素材にする必要はありません。
たとえば、床や壁の一部だけに取り入れたり、
寝室や子ども部屋といった「長く過ごす空間」に限定して使う、という方法もあります。
予算やライフスタイルに合わせて、
無理のない範囲で自然素材を取り入れることも、十分素敵な家づくりの一歩です。
選択肢を広く持ちながら、自分たちらしいバランスを探していけるとよいですね。
自然素材を選ぶとき、失敗しないコツ
自然素材の家に惹かれても、いざ具体的に考え始めると、
「本当に自分たちに合うのだろうか?」と迷うこともあるかもしれません。
ここでは、自然素材を取り入れる際に後悔しないためのコツを、いくつかご紹介します。
ぜひ、ご参考になさってください。
「どこに自然素材を使うか」を考える(床だけ、壁だけでも効果的)
自然素材を家全体に取り入れるのも素敵ですが、
必ずしもすべてにこだわる必要はありません。
たとえば、
- 床だけ無垢材にする(素足で歩いたときの心地よさを楽しむ)
- 寝室だけ珪藻土の壁にする(睡眠中の空気環境を整える)
といったふうに、ポイントを絞って取り入れるだけでも、
自然素材ならではの良さを十分に感じることができます。
**「自分たちがどこで、どんなふうに過ごしたいか」**を考えながら、
自然素材を活かす場所を決めていくと、暮らしの満足度も高まりやすいでしょう。
体験してから決めよう(モデルハウスや素材の見本に触れてみる)
自然素材は、カタログや写真だけではなかなか伝わりにくい部分もあります。
実際にモデルハウスを訪れたり、
建築会社で素材サンプルに触れてみたりすると、
木のぬくもりや壁の手触り、空気感などを五感で体感することができます。
「思っていたよりやわらかい」「この質感が好き」といった、
感覚的なフィーリングも、自然素材選びではとても大切な判断材料になります。
ぜひ、できるだけ実物に触れて、心地よさを確かめてみてくださいね。
メンテナンスの説明を事前に聞くことも安心材料
自然素材は、きちんとした施工と、適切なメンテナンスによって、
より長く、美しく保つことができます。
そのため、建築会社や担当者から、
- 日常のお手入れ方法
- 経年変化の特徴
- 長期的なメンテナンス費用の目安
などを事前に聞いておくことをおすすめします。
「思ったより手間がかからない」と安心できることもあれば、
「ここは少し手をかける必要がある」と納得して選べることもあります。
先に知っておくことで、住み始めたあとに感じるギャップを減らすことができる──
それが、自然素材との上手なお付き合いの第一歩になります。
自然素材の家、あなたに合う?合わない?やさしい判断基準
自然素材を使った家には、たしかにたくさんの魅力がありますが、
ライフスタイルや価値観によって、向き・不向きがあるのも事実です。
ここでは、自然素材の家がより満足しやすい方と、
いまは無理に選ばなくてもよいかもしれない方の目安を、やさしくご紹介します。
あくまで参考のひとつとして、
ご自身に合った家づくりのヒントにしていただければ幸いです。
自然素材を取り入れると、より満足しやすい人
- 毎日の暮らしにあたたかみや本物らしさを大切にしたい
→ 自然素材ならではのぬくもりや、天然素材特有の手触りを楽しめる方には、特におすすめです。 - 「経年変化も味わい」と思える、時間とともに育つ家を楽しみたい
→ 新品のままではなく、暮らしの歴史が刻まれていくことに価値を感じる方には、自然素材の家がよく馴染みます。 - 少し手をかけることも、暮らしの一部として受け止められる
→ 定期的なメンテナンスや、自然素材ならではの変化を「手間」と感じず、「愛着」として受け止められる方に向いています。 - 自分や家族の健康・空気環境を気にしたい
→ 化学物質をできるだけ避けたい、自然な空気の中で過ごしたい、という思いがある方には、大きな安心材料になります。
いまは無理に選ばなくてもいいかもしれない人
- 忙しくて、手間をかけずに手軽に住みたい
→ 日々の生活が忙しく、こまめなお手入れが難しい場合は、メンテナンスの少ない素材を選ぶ方が、ストレスなく暮らせるかもしれません。 - 常にピカピカ・新品のような状態を保ちたい
→ 小さな傷や色の変化も気になる方には、自然素材の「味わい」が負担になってしまうこともあります。 - 将来のメンテナンス費用をなるべく抑えたい
→ 素材によっては、長期的な補修や手直しが必要になることもあるため、初期コストやメンテナンスコストを最小限にしたい場合は注意が必要です。 - 賃貸や短期的な住まいではなく、長く住む予定がない
→ 自然素材の魅力は、年月とともに深まるものです。もし数年で住み替えを考えている場合は、他の選択肢も視野に入れてみるとよいでしょう。
まとめ:自然素材の家づくり、焦らず、自分たちらしく選びましょう
自然素材を使った家には、
心地よい空気、経年変化の味わい、そして家族とともに成長していくようなあたたかさがあります。
一方で、少しだけ手間がかかったり、
ライフスタイルによっては、今は別の選択肢が合う場合もあるかもしれません。
大切なのは、
「自然素材だから」ではなく、
「自分たちにとって心地よいかどうか」で選ぶこと。
すべてを自然素材にしなくても構いません。
床だけ、壁だけ、寝室だけ──
少し取り入れるだけでも、暮らしにやさしい変化を感じられるはずです。
もし、自然素材を取り入れた家づくりに興味をお持ちでしたら、
アウカでは、あなたのご希望に寄り添った建築家や工務店をご紹介することができます。
「自然素材を使ってみたいけれど、どこから始めたらいいかわからない」
そんなふうに感じたときは、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたらしい住まいづくりの一歩を、
一緒にサポートさせていただきます。